「供養(くよう)」って?

kouyasan

法事やお墓参り、先祖供養や水子供養、そのほか人形供養など、全部ひっくるめて、普段私たちが何気に使っている「供養(くよう)」という言葉。

「供養」とは、

  • もともと「尊敬」を意味する、サンスクリット語(古代インド語)の日本語訳であり、
    仏・法・僧の三宝を敬い、死者の霊などに香、華、飲食物などの供物を真心から供えること。

という意味ですが、今の日本において「供養」するというと、

「追善供養」

の意味で使われることが多いと思います。

「追善供養(ついぜんくよう)」って?

「追善」というのは、

亡くなられた方の冥福を心より祈り、善い事を後から追って修する

という意味です。

私たちは善い事も悪いことも積み重ねながら、この娑婆世界で暮らしております。
さまざまな経験を積み、その過程で自分の心の中を見つめ、静かに自己反省(懺悔)しながら、自分の人格を磨く努力を重ねていきます。

きっとみなさんも十人十色、いろいろな方法で善業を積み重ねていらっしゃることと思います。

ご先祖様のもとへ、善業を積んだ時の慈悲・慈愛の心をお届けし、その功徳によって、安らかな極楽世界に往生出来ますようにと願いを込めて供養することを、「追善供養」といいます。

さまざまな供養


「供養」についての各辞書の解説

 【大辞林 第三版の解説】 

死者の霊に供え物などをして,その冥福を祈ること。追善供養。 「亡父の-をする」
②仏・法・僧の三宝を敬い,これに香・華・飲食物などを供えること。

 

 【世界大百科事典 第2版の解説】 

仏,菩薩,諸天(神)などに香華(こうげ),灯明,飲食(おんじき)などの供物(くもつ)を献ずること。サンスクリットのプージャーまたはプージャナーpūjanāの訳。
これらの語はもともと〈尊敬〉を意味し,したがって,相手に対する尊敬の念から香華などを捧げるのが供養で、この点、バラモン教でいう、なんらかの報酬を求めあるいは感謝の意を表すために神々に犠牲を捧げる〈供犠(くぎ)〉(ヤジュニャyajna)とはその意味を異にする。

 

 【日本大百科全書(ニッポニカ)の解説】 

仏と法と僧(教団)の三宝(さんぼう)や死者の霊などに、行動(身)とことば(口)と心(意)の3種の方法によって供物(くもつ)を捧(ささ)げること。原意は「奉仕すること」「供え仕えること」。仏典では原語として頻度の高いのはサンスクリット語プージャーpjで、ヒンドゥー教でも宗教的供養を意味している。不殺生(ふせっしょう)を強調する仏教が、バラモン教の動物を犠牲にする供犠(ヤジュニャyaja)に対してとった生命尊重の儀礼の形式でもある。