墓じまいについて

お寺ネット仏事相談に寄せられた内容を取り上げて深堀してまいります。

Name: 娘
Date: 2020/12/10(木) 17:07 No:5689
Title: 墓じまいについて

お墓

もしよろしければご意見いただければと思い、この場をお借りしました。
初めて利用するため、何か不作法などありましたらすみません。

表題のとおり、墓じまいに関する話です。
墓じまいを考えているのは母方のご先祖様のお墓です。

私の母は一人っ子で、結婚で県外に嫁いでいます。
本家ではないものの継ぐ者がいないということで檀家として付き合いを続けていた祖父母も、
・高齢を理由に母を頼ってもともと住んでいた土地を離れたこと
・頻繁に高額の寄付を要請してくる(元)菩提寺が金銭的な負担になっていたこと
等々の理由により、現在は今住んでいる地域のお寺さんへ菩提寺を変更しています。

ただこの菩提寺の変更の際も揉めた様で、ご先祖様のお墓は元菩提寺にそのまま残っていたようなのです。

今では祖父母も祖父が数年前に亡くなり、祖母も施設に入所しています。
菩提寺を変更はしたものの、お墓がそのままというのはやはり…と、母はずっと考えていたようで、きちんと供養をしたい、自分以外に適任者がいないが遠方でなかなか管理できない、とちょうど節目であることもあって墓じまいを決意したようです。

ただ、菩提寺変更の際の揉め事の記憶もあり不安だったのでしょう。
まずは電話連絡を取ろう、となった際、娘である私にも同席してほしいとのことだったので母の隣ついていました。

詳細は長くなるので省きますが、墓じまいを考えていて・・・と切り出したとたん不機嫌な声を出され、突然電話口の相手が男性に変わり、

犬猫じゃあるまいし何を考えている!
なんて非常識な!
菩提寺と檀家の関係性もわからんのか!

等こちらの話を遮り、隣に座る私にも聞こえる様な音量で次々怒鳴りつけられ話を聞いてもらえませんでした。
結局、相手側が「無縁仏として移動するがいいのか!」というので、もうそれでいい、と返事をすると、ふざけているのか!等と続きとうとう相手側から電話をガチャ切りされてしまいました。

菩提寺変更の件は話しか聞いていなかった私も、もちろん母も絶句してしまい、電話を掛け直す勇気も出ず今に至ります。

自分たちのご先祖さまです。本当はきちんと供養もしたいし、現在の菩提寺さんはとてもよくしてくださいます。母とも、こちらであれば距離的な負担もなくきちんと管理もでき安心だと、墓じまいや移骨にどれくらいかかるのだろうか、どうしたらいいだろうかと色々と考えておりました。もう諦めなければならないのでしょうか。

正直電話口の剣幕から、もう一度相談することも、ましてや直接伺うことも怖くてしたくないです。ですが大切なお墓のことなのでとても迷っています。

支離滅裂な文章で申し訳ありません。よろしければ何かご意見よろしくお願い致します。

追記
お墓、と記載しましたが、母にあらためて確認したところ厳密にいうと納骨堂のようです。すみません。

尊明さんより回答

Name: 尊明 [URL]
Date: 2020/12/11(金) 07:04 No:5690 引用 編集
Title: Re:墓じまいについて

それは、大変でしたね。

墓じまいを快く思わないお寺様は多くあります。

墓じまいは、お寺にとっては非常に重要な内容になるからです。

電話で簡単にはいかないというのがお寺様のお怒りの元であると考えます。

さて、今回の解決策ですが、

新しく申し込まれる納骨堂の管理者に相談されてはいかがでしょうか?

いずれ、お墓の撤去など石材店にお願いしなければなりませんので、墓じまいの専門業者サイトに相談するというのも良いでしょう。

同じようなケースも多々あることでしょうし、第3者が入ってお互いの話をまとめてくださることと存じます。

お寺にとっては、長年供養してきたお墓ですので、そのあたりも考慮して、感謝の思いをもって話し合いをされてください。

当院でも墓じまいの相談を多々受けますが、お寺様によってさまざまな考え方があります。

急がず、ゆっくりと進めていかれるといいでしょう。

お墓
墓誌

娘さんよりの回答

Name: 娘
Date: 2020/12/11(金) 09:29 No:5691 引用 編集
Title: Re:墓じまいについて

ご回答ありがとうございます。
そうですね、その辺りも踏まえて母とももう一度相談してみます。

> 墓じまいを快く思わないお寺様は多くあります。
> 墓じまいは、お寺にとっては非常に重要な内容になるからです。
> 電話で簡単にはいかないというのがお寺様のお怒りの元であると考えます。

確かにその通りですね。
今はコロナの影響もありますし、先方にも予定があるだろうと、大事な話をするのに連絡もなく突然訪ねるのは失礼にあたるかと、まずは電話で用件を伝えて日程などの予定を相談しようと考えていたのですが、そもそもこの話題が快く思われないのですね。
こちらの都合で考えて動いていたのかもしれません。

> お寺にとっては、長年供養してきたお墓ですので、そのあたりも考慮して、感謝の思いをもって話し合いをされてください。

これに関してはもちろんです。色々ありましたがお世話になったお寺様ですので、感謝の念を持って話し合いをしようと思います。

解決策まで、とても丁寧にご回答いただきありがとうございました。

ワンポイントアドバイス

そうですね、最近は墓じまいをしたいという相談が多くなりました。

いずれかの時点で、責任ある方が、ちゃんとされてかれないと、子供や孫の代になるととても困ってしまうものです。

また、管理料や供養料といったものが通常かかってきます。しばらく、ほっておいた場合、高額な管理料となることも考えられます。(管理料は、義務となります)

今回の場合、納骨堂でしたので、そんなに話がこじれることはないと考えます。

誠意をもってご挨拶に伺い(もちろん電話をされて予約を取られてから)事情をしっかり話せばわかってくださることでしょう。

墓じまいにも種類がある

お墓じまいにも様々な種類があります。

お墓を移動したい

お墓が遠いので、田舎のお墓をご自分の住んでいる近くに移し、身近なところで供養したい
このケースであれば、お寺様も納得されるでしょう。

お墓を処分したい

トラブルになるケースは、この場合が多くあります。

いずれは、無縁になるので、お墓を処分したい。

毎年の管理料や供養料を子供たちに継がせたくないので、今のうちにお墓を閉めたい

お墓が遠方で、また自分が高齢になり草むしりなど管理護持できなくなってきたので閉めたい。

墓じまいに関して詳しくは、別のページで説明させていただきます。

お墓じまいの大切な事

1:その時だけでなく、長い目で見た時に本当に「お墓じまい」が必要であるか?

お墓参りが出来る幸せがあります

お墓は、こころの古里です。お墓があるから、みんなが集まり、団結するのです。

お子様のおられる方は、親の代で決めるのではなく、お子様と共にまた親戚の方も併せて相談されることを強くお勧めします。

お子様のおられない方

2:お墓じまいには、流れがある

お墓じまいの流れ

第1:受け入れ先を決める。

*お墓じまいは、簡単にはいきません。時間をかけて余裕をもって始めてください。

お墓じまいを法律的に言うと「改葬」といわれ、法律的な書類が必要となります。

人気の受け入れ先が、令和3年1月1日から受け入れ制限をはじめました

お墓の受け入れ先ですが、永代供養墓や樹木葬・海洋葬というのが知られていますが、関西方面では「仏像葬(お骨仏)」が有名です。

これは、遺骨をお墓に納めるのではなく、遺骨でもって仏像を作り、お墓の代わりに仏様として拝む方法です。

なんと、大阪一心寺さんでは、22万人以上の遺骨で1体の仏様が出来ました。

ここでは、遺骨は、1万円~3万円という非常に安価な費用で納骨が出来ますので、大阪の方にはとても人気のお寺です。

しかし、令和3年1月1日から 改葬の受け入れを制限すると発表されました

お墓じまいの方が多く、対応しきれないと

プレジデントオンラインでは、その内情を報道しておられます。

お骨仏は、全国各地で受け付けているお寺もありますが、お墓じまいの申し込みが多くなっている現状に、いずれは一心寺さんと同じように制限せざるを得ないという住職もあります。

第2:納骨先のお寺様の了解を得る

今回の相談は、この場面です。

電話で済まそうとしたことがかえって怒りを買ったのかもしれません。

事前に納骨先を決めて、しっかりとした意思と誠意をもってお話をなさってください。

お寺は檀家さんの支えがあって成り立っています。お墓じまいをするという事は、檀家をやめるという事であり、お寺への収入がなくなるという事にもなります。

お寺の収入は、住職の利益ではなく、皆さんのお寺が管理護持されるものです。

ですから、一人抜けるとなると、他の檀家さんに迷惑をかけることになります。そしていずれは、過疎地では檀家数が減少し、廃寺となってしまうお寺が非常に多いのです。経済学者は、あと20年後には、寺院数は、現在の半分程度になると予測しております。

このコロナ禍の中で、新しい人口が増える事や、檀家が増えることは非常に難しくなった時代。お寺も存続をしていくために必死の努力をするのが住職の務めでもあります。

そんなことも、理解をしたうえでお話をしていただければと存じます。

第3に、現在あるお墓の役所で、改葬証明書の発行をしてもらいます。

第4に、実際にお墓を閉める、閉眼供養をご住職にご依頼ください。

第5に、墓石の撤去 石材店に依頼して墓石を撤去、遺骨を出して、更地にして墓地を戻しましょう。

墓地は、永代使用権であり、お寺から借りているものです。

第6に、遺骨と改葬証明書をもって新しい納骨先にお納めします。

ざっと、簡単に言うとこのような流れになります。