塔婆供養
塔婆とは=先祖に感謝し、授かりし尊い命に感謝
ご先祖様を思う感謝の心、この気持ちこそ私たちの生きる上での全ての基本。
そうしてこそ自分を大事にし、お互いに相手を思いやる心が芽生えるのです。
大事なのは感謝と思いやりの心。
幸せになりたいとは誰しも思います。
心から願うことはもちろんのことですが、良い方法があります。
それは先祖供養です。今生かされていることに感謝することはもちろんのこと、
ご先祖様あっての私達であります。
ただ、どうすれば先祖供養になるのか、術がわからない方も多いのではないでしょうか。
家には仏壇が無い、お墓も遠い、供養は本家がやっているから
いろいろと理由があるものです。
それでは幸せになるのは自分だけでよいのでしょうか?
ご先祖様も幸せになりたいのです、それは供養して初めてご先祖様が幸せになるのです。
冥福という言葉を私たちは弔問などに訪れた際に使います。
それこそ冥福、冥途での福を願っての言葉です。
福を願う一番の良い供養方法、それが塔婆を建てる塔婆供養です。
供養には故人の年忌法要、先祖供養、永代供養、水子供養、ペット供養
さまざまな供養があります。その際に感謝の意を込めた塔婆供養が有るのです。
冥福を願い、形としての供養として、塔婆は有り難い供養方法なのです。
生かされていることに感謝し、ご先祖様に感謝を伝える塔婆供養です。
すると自然と心に安心感が生まれます、ご先祖様と共に心が幸せでいられます。
大事なのは感謝と思いやりの心です
塔婆=意味と始まり
塔婆とはインドの古代言語でサンスクリット語のストゥーバ(stupa)の音訳である卒塔婆(そとうば)からできた言葉です。仏舎利(お釈迦様のご遺骨)を安置するための建物を意味していました。
お釈迦様のご遺骨を8つの国に分け、お釈迦様への報恩感謝を示すため、それぞれに塔を建て供養したのが供養塔の始まりとなりました。その塔が多宝塔、三重塔、五重塔と変え、そして板塔婆となり、ご先祖様の供養にとって有り難い供養方法になりました。
塔婆の五つに区切られた部分は上から空輪「空輪(キャ)」「風輪(カ)」「火輪(ラ)」「水輪(バ)」「地輪(ア)」を表し、仏教では全ての物質を構成する元とされた五大要素を表します。
五輪塔を簡略化して作られたものが板塔婆ですので、五輪塔の石もそれぞれ五大要素を表しています。
表面には上記のように「空(キャ)風(カ)火(ラ)水(バ)地(ア)」が多いようです。
その下に梵字を一字足すこともあります、それは供養日に縁のある仏さまの種子(しゅじ)です。
その下に供養する戒名・あるいは俗名を記します。
次に回忌(四十九日・三回忌)等あるいは(彼岸・施餓鬼)等が書かれます。
墓石開眼あるいは埋骨等がある場合は続いて記されることがあります。
施主と書かれた下には塔婆を供える方の氏名が記されます。
施主とは代表者名で、次の方からは「志主」と記されることもあります。
施主名は表に、あるいは裏に書かれることもあります。
裏面には「バン」という梵字(大日如来)が記され
その下に供養日、施主名が記されます。
施主名の次に「建立(こんりゅう)」あるいは「建之(けんのう)」と記載されます。
意味合いは同じで建之の場合は「施主○○○○、これを建つる」と読まれます。
法要種類 | よみ | 種子 |
初七日(開蓮忌) |
しょなのか | 不動明王 ふどうみょうおう |
二七日 | ふたなのか | 釈迦如来 しゃかにょらい |
三七日 | みなのか | 文殊菩薩 もんじゅぼさつ |
四七日 | よなのか | 普賢菩薩 ふけんぼさつ |
五七日(三十五日) | いつなのか | 地蔵菩薩 じぞうぼさつ |
六七日 | むなのか | 弥勒菩薩 みろくぼさつ |
七七日(四十九日) | しちしちにち | 薬師如来 やくしにょらい |
百ヶ日 | ひゃっかにち | 観世音菩薩 かんぜおんぼさつ |
一周忌 | 勢至菩薩 せいしぼさつ | |
三回忌 | 阿弥陀如来 あみだにょらい | |
七回忌 | 阿閦如来 あしゅくにょらい | |
十三回忌 | 大日如来 だいにちにょらい | |
三十三回忌 | 虚空蔵菩薩 こくうぞうぼさつ |
宗派による表書き
■浄土宗 | 南無阿弥陀仏 |
■浄土真宗 | 無し |
■真言宗 | 梵字で キャ カ ラ バ ア 種子 |
■天台宗 | 梵字で キャ カ ラ バ ア 種子 |
■曹洞宗・臨済宗 | 梵字で キャ カ ラ バ ア あるいは 大圓鏡智 |
■日蓮宗 | 南無妙法蓮華経 |
■法華宗 | 南無妙法蓮華経 |
塔婆はいつ供えるものでしょうか
四十九日法要、各年忌法要、春と秋の彼岸、お盆、それぞれの節目には、塔婆をお供えすると良いでしょう。
五重の塔を建てるほどの気持ちの表れとして、今在ることに感謝の気持ちを伝える報恩感謝の意と、安らかな冥福を込めた塔婆です
また、墓石開眼においても塔婆を供えることが多くなりました。
塔婆は年数が経ちますと下の方から朽ちてきます、その頃にはお焚き上げされると良いでしょう。
墓地を管理されている寺院、あるいは霊園の管理事務所に頼まれるとお焚き上げしてくださいます。
塔婆の長さには6尺、5尺、4尺、3尺とあり、霊園によっては長さを指定されている霊園もあります。
それぞれの管理事務所に問い合わせると良いでしょう。
四十九日、一周忌、三回忌等 各年回法要に供えることは形としての感謝の表れです。
塔婆の種類
板塔婆
お墓の後ろに立ててある板塔婆がもっとも一般的で、長さは6尺、5尺、4尺、3尺とあります。
経木塔婆
経木塔婆、あるいは水塔婆と呼ばれるものもあります。
経木と呼ばれる薄い木の板で作られています。
長さは九寸(約27㎝)から一尺二寸(約36㎝)、厚さは1mmくらいです。
水回向として水槽に立てることから水塔婆と呼ばれることもあります。
紙塔婆
板塔婆の他に紙塔婆と呼ばれるものもあります。
水に溶ける紙塔婆もあり、川や海に流し供養します。
流し塔婆と呼ばれることもあります。
ミニ塔婆
尺五寸のミニ塔婆を供える地区もあります。静岡県富士宮地区ではコンビニエンスストアに置いてあり、華立塔婆・花立て塔婆とも呼ばれるようです。
花の絵が描かれているミニ塔婆もあります。
三世供養塔婆
三本の塔婆を用意し、それぞれ前世、現世、来世とし、ご自身のお名前を書き入れ
昨日までの感謝と懺悔、今ある感謝、明日への祈りを捧げる塔婆です。
七本塔婆
葬儀後の初七日から四十九日の間、七日ごとに裁きを受けるといわれています。その七日ごとに塔婆を供え、無事に四十九日を迎えて安らかな成仏を願う塔婆です。