Q.戒名や法事をどうすればよいか、家族の考えがまとまらず悩んでいます
今年1月に母が亡くなりました。
葬儀は葬儀社の紹介で日蓮宗のお坊さんをお願いし、俗名で葬儀を行いました。
現在の状況は、
- 母に戒名をつけてあげたい
- 仏式で法要(四十九日)をしたい
- 法事をお願いするお寺が決まっていない
という状態です。
一方で父は、
- 「今まで信心もなかったから寺にこだわらない」
- 「檀家になるつもりはない」
- 「信女という名前はつけてあげたい」
- 「ネットで安く戒名や法要を頼めるところを見つけた」
という考えで、正直なところ私は不満と不安を感じています。
お金がないわけではないのですが、
父は人間不信なところがあり、
「バカらしい」と制度や慣習を批判する性格です。
親族の中には
「法事はお寺に属して行うのが当たり前」
と考える人もおり、冷ややかな視線を感じてしまいます。
このような状況で、次の点について悩んでいます。
お寺ネットからの回答(要点整理)
① 檀家になると、人付き合いやお布施は大変ですか?
結論から言うと、お寺によります。
- 年間の護持会費を納めれば行事参加は任意のお寺
- 行事や境内清掃などへの参加を大切にするお寺
- お布施はすべて「お気持ち」で受けるお寺
形はさまざまです。
「檀家=必ず大変」というわけではありません。
② 利用するつもりがなくても、お寺に話を聞きに行って大丈夫ですか?
まったく問題ありません。
「お寺とは何か」「仏教とは何か」を知ること自体が、
立派な“ご縁”です。
ただし、住職にも予定がありますので、
事前に連絡を入れるのが丁寧でしょう。
③ ネットで戒名や法要を頼むのは、ありなのでしょうか?
基本的には、施主(ご家族)の考えが最優先されます。
現代では、ネットを通じた戒名授与や法要を選ぶ方も増えています。
ただし仏教的に言えば、
**信仰とは「人と人との信頼関係」**に基づくものです。
もし、
- 特定のお寺や僧侶との関係を持つつもりがない
- 信仰として仏教を選ぶ意識がない
のであれば、
無理に形式だけ仏式にする必要はない、
という考え方も一つの筋の通った立場です。
④ 親族の視線や価値観の違いは、耐えるしかないのでしょうか?
似た環境で悩まれている方は、実際に多くいらっしゃいます。
法事や戒名は、
「誰のために行うのか」を見失うと、苦しさだけが残ります。
最終的には、
- 故人をどう送りたいか
- 残された家族が納得できるか
を軸に考えることが大切です。
⑤ 仏教の入り口として、何から始めればよいでしょうか?
いきなり信仰を持つ必要はありません。
まずは、
- 仏教者の生き方を描いた書籍
- 歴史や物語としての仏教
に触れることをおすすめします。
親しみやすい例としては、
- 仏教者の評伝・歴史小説
- 仏教を題材にした漫画
などがあります。
**「共感できる人を一人見つける」**ことが、仏教への良い入口になります。
その後のご報告(相談者より)
その後、父と何度も話し合いを重ね、
「お寺につながってほしい」と頭を下げてお願いしました。
父も少しずつ気持ちを変えてくれ、
紹介されたお寺に戒名と法事をお願いできることになりました。
母の死をきっかけに、
家族が本音で話し合うようになったと感じています。
ここで相談できたこと、
気持ちを言葉にできたことは、
本当に大きな支えになりました。
お寺ネットからのメッセージ
戒名や法事は、
「正解が一つに決まっているもの」ではありません。
家族それぞれの思いが違っていても、
話し合い、歩み寄る時間そのものが、
すでに供養の一部です。
お寺ネット仏事相談原文
戒名や法事について
1月に母が亡くなりました。葬儀屋の紹介でお坊さん(日蓮宗)をおよびいただき、俗名で葬儀を行いました。
母に戒名をつけたい・仏式で法要をしたい・法事をする場所が決まってない・49日をあげたい、こういう状態です。
父が頑固で、「今までも特に信心がなかったから寺にこだわらない」「檀家になるつもりはない」「信女という名前は付けてあげたい(父の母と同じ位にしたいらしい)」「ネットで安く戒名をつけてもらえたり、法要をするように派遣してもらえる先を見つけた」と言われ、正直不満があります。
お金はあるはずなのですが、人間不信がありすぐに「バカらしい」と体制を批判する性格があります(家電とかにはお金は惜しまないのに。)
①檀家になるってそんなに人付き合いやお布施などが大変ですか?
②近くの寺を後学のために私一人で話を聞きに行こうと思ってます。ただお寺にとって「利用する予定もない人間がずうずう
し」ってことになりますか?
③父の「ネットで」の決め方になってしまいそうです。親族は寺に属した法事が当たり前と思ってる人間が少なくとも5人います。普段の付き合いはないにしろ、冷ややかな視線を感じています。これは耐えるしかないでしょうか、似た環境の方っていますでしょうか。ネットを通じた戒名や法要はありなんでしょうか?
④これを機に私は自分の生き様や死にざまを考えていこうと思ってます。宗教と縁のない人生を送って来ましたし連れ合いもまったく興味は持ってません。何から始めたらと思っております。仏教の入り口としておすすめなことを教えてください。
Name: 天台沙門
Date: 2013/02/14(木) 11:40 No:4927 削除
Title: Re:戒名や法事について
某政令指定都市の所在する寺を預かっております天台を宗とする者の立場から。
Q1:檀家になるってそんなに人付き合いやお布施などが大変ですか?
A1:お寺によります。例えば、「護持会費年間5万」とか支払っていれば年間行事に参加しなくても(盆彼岸に墓参しなくても!)問題ない寺もあるでしょうし、布施料はまったくのお任せですが折々に集まっての境内掃除が義務化している寺もあるでしょう。
※
Q2:近くの寺を後学のために私一人で話を聞きに行こうと思ってます。ただお寺にとって「利用する予定もない人間がずうずうし」ってことになりますか?
A2:寺に来てもらって、「寺って何?」とか「仏教って何?」と訊いていただくこと自体が「利用する」ことです。ご心配なく。ただし住職さんにも予定があるかもしれません。その点だけご留意ください。
※
Q3・1:父の「ネットで」の決め方になってしまいそうです。親族は寺に属した法事が当たり前と思ってる人間が少なくとも5人います。普段の付き合いはないにしろ、冷ややかな視線を感じています。これは耐えるしかないでしょうか、似た環境の方っていますでしょうか。
A3・1:基本的には施主さんの考え方に従うべきでしょう。寺の行事にも墓参にも熱心に通っても年回の法要はしないという方もいらっしゃいます。
Q3・2:ネットを通じた戒名や法要はありなんでしょうか?
A3・2:まあ、葬儀を受けてくださった方よりもネットで検索した人を選ぶなら、無理に戒名をつけたり仏式の法要をする必要はない(宗教的儀式に則った葬儀をすることはない)のかな、と考えます。
本質的には信仰とは「人と人との信頼と信用によるもの」です。私が好きな逸話ですが、「念仏すれば極楽に往けますか?」と訊かれた親鸞さんが「わからない。信じている法然さんがそう言っていたから念仏をするだけで、たとえ念仏をして地獄に堕ちても法然さんを恨むべきもない」と言ったそうですし、『クオ・ヴァディス』でペテロさんが殉教するのも「もう一度、十字架にかかろう」とのイエスさんの言葉によるものです。裏を返せば「信心がなかった」なら「戒名も要らないし宗教的葬儀も必要ない」という立場の方が宗教的に一貫します。
※
Q4:これを機に私は自分の生き様や死にざまを考えていこうと思ってます。宗教と縁のない人生を送って来ましたし連れ合いもまったく興味は持ってません。何から始めたらと思っております。仏教の入り口としておすすめなことを教えてください。
A4:仏者をとりあげた評伝や歴史小説を読むことをお勧めします。私が好きな作品は、瀬戸内寂聴『釈迦』(新潮文庫)・河合隼雄『明恵~夢を生きる』(講談社α文庫)・嵐山光三郎『西行と清盛』(中公文庫)です。まずは親近感をもてる仏者を見つけることです。その観点からすると、手塚治虫『ブッダ』と中村光『聖☆おにいさん』ははずせないかもしれません。
※
以上、ご参考までに。
Name: おさむ
Date: 2013/02/16(土) 05:21 No:4928 解決 削除
Title: Re:戒名や法事について
早速の返信ありがとうございました。
もう一度父と話し合っていきたいと思います。
Name: おさむ
Date: 2013/03/07(木) 20:57 No:4938 解決 削除
Title: Re:戒名や法事について
解決となっているところ、追記をさせてください。
父に「お寺につながってほしい、それぞれの田舎にお寺を紹介してもらえないか聞いてほしい」と何度か頭を下げて頼みました。
重たい腰を上げてくれました。そして一つの寺を紹介していただき戒名&法事の依頼を受けてもらえることになりました。
私も父も辛抱強く意見を交わしました。
母の死をきっかけに、形だけの家族が本音を言い始めた感じです。
ここで質問させていただいたときは本当に途方に暮れていました。
気持ちを書き込んだことやアドバイスをいただけたことは貴重な体験でした。
こういう場所があって救われました、ありがとうございました。

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