葬儀のお布施はいくら必要?払えない時の選択肢を解説

葬儀のお布施がどうしても払えません。借金をしてまで用意すべきなのでしょうか?
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Q.葬儀のお布施がどうしても払えません。借金をしてまで用意すべきなのでしょうか?

余命宣告を受けた義母がおります。
そのため、少しずつ葬儀の準備も考えていますが、大きな不安があります。

義両親には貯えがなく、保険にも入っていません。
これまでの入院費もすべて子どもたちで負担し、すでに貯えはほとんど残っていません。

葬儀費用そのものは何とか用意できそうですが、
菩提寺のご住職にお渡しするお布施がどうしても捻出できない状況です。

以前、義祖母が亡くなった際、
「葬儀のお布施は27万円と決まっている」
と言われたそうです。

ご住職にも生活があり、お寺を維持するための費用が必要なことは理解しています。
しかし、お金がないと伝えているにもかかわらず、
借金をしてまで払わなければならないものなのか、疑問に感じています。

まだ正式に相談はしていませんが、
亡くなった後のことを考えると不安で眠れない日が続いています。

借金をして葬儀を行ったとして、
本当に気持ちよく義母を送り出せるのか。
正直なところ、恨みの気持ちだけが残ってしまうのではないかと苦しくなります。

僧侶としてのご意見をお聞かせください。


目次

お寺ネットからの回答(僧侶の立場より)

① まず大切なこと:生前に正直に相談すること

まずお伝えしたいのは、
義母さまがご存命のうちに、事情を率直に相談することが何より大切だということです。

「このような事情があり、これ以上の金額はどうしても用意できません」
と、可能な金額を先に示したうえで相談することをおすすめします。

葬儀後になってからでは、話し合いが難しくなることもあります。


② 葬儀のお布施に「決まった金額」はあるのか

一般論として、
菩提寺と檀家の関係は、

  • お寺が檀家に安心を与える
  • 檀家がお寺を経済的に支える

という、長年の慣習に基づく関係です。

その中で、家ごとの慣習や「家格」によって、
布施の目安額が固定化しているお寺も確かに存在します。

そのため、
「27万円」という金額も、
一つの基準として示されている可能性はあります。

しかし、
それが「払えなければ葬儀をしてはいけない」
という意味とイコールではありません。


③ 僧侶の考え方は一様ではありません

私自身も、檀家の方には目安となる金額をお伝えしますが、
同時に、

「この金額でなければ勤めない、ということではありません」

とも必ずお話しします。

実際には、

  • 目安の50〜80%
  • 通夜・葬儀を行わず、四十九日法要を葬儀に代える
  • 分割や、別の形でのご協力

など、柔軟な対応が行われることも少なくありません。

僧侶にとって葬儀や法要は、
収入以前に「修行」であり、
布施が足りない分は自らの修行と受け止める、という考え方もあります。


④ 現実的な解決策の一例

お寺によっては、
分割払いの代わりに、

  • 卒塔婆供養を長期的にお願いする
  • 年忌や彼岸で少しずつご協力いただく

といった形で、
無理のない支え方を提案してくれる場合もあります。

一度きりの大金ではなく、
長い時間をかけて関係を続ける、という考え方です。


⑤ それでも難しい場合の選択肢

厳しい現実として、
葬儀とは「亡くなった方をどう見送るか」という
文化的・社会的な手続きです。

最低限の費用で行う場合、
宗教儀礼を伴わない「直葬」という選択もあります。

また、
もし菩提寺での納骨が難しい場合には、

  • 永代供養墓
  • 他寺院への納骨
  • 改葬

といった選択肢を含めて、
冷静に比較・検討することも否定されるものではありません。


お寺ネットからのメッセージ

葬儀は、
「どれだけお金をかけたか」ではなく、
どのような気持ちで送り出せたかが大切です。

借金をしてまで行い、
後に苦しみや恨みだけが残るのであれば、
それは本来の供養とは言えません。

どうか一人で抱え込まず、
事情を正直に話し、
無理のない形を探してください。

お寺ネット 仏事の掲示板原文

葬儀について

余命宣告をされた義母がおり、その裏で色々と準備をすすめているのですが、困ったことに義両親は貯えもなく、保険にも入っていないため、今までかかった入院費などすべて子供たちで負担する事となり、子供たちにもほぼ貯えがなくなり、葬儀となったとき、葬儀費用はなんとか出せても、ご住職にお渡しするお布施がどうにも捻出できない状況です。ちなみに、お世話になっているご住職がおり、以前義祖母が亡くなった際も義父がお金がないといったら、『葬儀のお布施代は27万と決まっている』といわれたそうなんです。

ご住職にも生活があり、お寺維持などそういった費用がかかるのは理解はしているつもりです。しかし、お金がないと泣きついてきた人に対して借金してまで払わせるのはご住職としてどうなんでしょうか?
まだ私たちが相談には行っていないので、今現在のご住職のお考えはまだわかりませんが、亡くなった時のことばかりが不安で毎日眠れません。もし、子供たちが借金してまで葬儀をお願いしたとしても、本当に気持ちよく送り出すことができるんでしょうか?こんな気持ちは本当は嫌なのですが、もともと迷惑ばかりかけられていたため、借金をしたら、恨みしか残らないかと思います。

僧侶としてのご意見を聞かせて頂ければ、うれしいです。
よろしくお願い致します。

Name: 天台沙門
Date: 2014/06/22(日) 18:07 No:5105 削除
Title: Re:葬儀について(長文です)

某政令指定都市に所在する寺を預かる天台を宗とする者の立場から。

>義父がお金がないといったら、『葬儀のお布施代は27万と決まっている』といわれた
>お金がないと泣きついてきた人に対して借金してまで払わせるのはご住職としてどうなんでしょうか?
>まだ私たちが相談には行っていないので、今現在のご住職のお考えはまだわかりませんが、

ご心労お察し申し上げます。まずは義母さんがご存命のうちに「こういった事情なのでこの金額で葬儀をお願いします」と先に可能な金額をお申し出いただき、色々とご相談なさることをお勧めします。

(1)一般論として
慣習として、菩提寺と檀家との関係は「菩提寺が檀家に安心を与える」ことと「檀家が菩提寺を経済的に支援する」ことによる双務契約関係となっています。なおかつ家格というものが存在し、その格によって布施料の額の多寡が決まっています。ですから、世間でいうサービスという言葉を使いますと、同一サービスに対して複数の料金が存在するわけです。逆にいうと、家格が一緒なら「世間相場」とよばれる同一料金が設定されるということです。よって現在でも、家格による固定料金的な布施料の基準が存在すると考えられます。
したがいまして、金27万也が通夜葬儀に対する適正な価格であるかどうかとは別次元の問題として、檀家さんの家格に応じての(公平ではないが公正な)布施料と想像することが可能となります。

(2)私の場合
私も具体的(全国標準では高額)な金額をあげて「御檀家さんの皆様には、この金額でお願いしています」とお伝えします。同時に「正札を出しての仕事ではないので、この金額でなければお勤めしないということではありません」ともお話します。現実問題としては、その金額の50~80%が標準的なものですし、通夜葬儀なし・四十九日の納骨法要を葬儀ということにして30%ということも珍しくありません。
僧侶にとって檀信徒さんの御葬儀をはじめとする法要全般は、寺檀関係による双務契約に基づく義務である以上に「自分の修行」という義務です。私は布施料の足りない分は自分の修行費用と考えています。

(3)解決策など
私の預かる寺では「分割払い」の代替手法として、卒塔婆を繁く建てていただくということをお願いしています。つまり、他の家では年回法要と施餓鬼法要の時だけの卒塔婆建立を、春秋の彼岸および無縁仏への建立を追加(?)でお願いするという方法です。

現実問題として、葬儀とは死者の肉体と霊魂をどのように処理するか、という文化人類的な手続きです。その「肉体の処理」にかかる費用を最低限に見積もると、物資として棺と骨壷、サービスとして遺体搬送・納棺・棺搬送・火葬費用・事務手数料、が必要となるでしょう。これは宗教儀式一切を省略しての「直葬」のパターンです。
問題はここから先です。
宗教施設の主催者には、異なる宗教儀礼による葬儀や宗教儀礼を伴わない葬儀を断る権利があります。つまり葬儀布施料「27万円也」を支払って菩提寺さんに儀式をしてもらわねば納骨させてもらえない可能性があるということなのですが、裏返すと27万円の費用によってご遺骨の埋葬が可能になるということです。
ということは、菩提寺さん以外の納骨所を新規に入手したうえで菩提寺さんの墓地のご遺骨すべてを改葬する費用の総額が27万以下ならば、離檀をしてしまうということを考えてもよいということになります。

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