日頃の生活の中で、勘違いや思いこみは多いものです。

「初心忘れるべからず」

この言葉も案外聞き違いや思い違いがあるのではないでしょうか。

会社に就職した時や、大学入学時に志を持って登校した日のことなどを、
日が経つにつれ、いつのまにか怠慢になり気持ちを立て直すときなどに、
「初心忘れるべからず」「初心に返って」と使ったりしますが、実は間違った使い方です。

「初心忘れるべからず」とは、初めて経験するその時に感じた事柄、失敗して悔い改めた気持ち、など、
向上する途中にあった出来事に対して「その今」に感じたことなどを指す言葉です。

二度と失敗せぬよう、あるいは気をしっかり保つことを「初心忘れるべからず」と申します。

ですから「初心に返って」と入学時の右も左もわからない状態に返るべき使い方ではなく、
経験し学んだときの気持ち、それを忘れてはならない、という本来の意味合いがあるわけです。

人は得てして忘れがちな日々を送っていることすら忘れているのではないでしょうか。

こうして今初めて気がついたことを忘れてはならない、それこそが初心忘れるべからず、であります。

世間に流されず、時には自分を見つめながら、前に歩んで行きたいものであります。

ありがとうございました。