「戒名をつけずに、俗名(本名)のまま供養してもいいのでしょうか?」
菩提寺がない方や、宗教的な形式にこだわらないご家庭では、とても多いご相談です。
まず結論からお伝えします。
成仏・往生や法要の意味は宗派によって異なります。戒名の有無だけで故人の行く末を一律に断定せず、信仰する宗派の教えを担当寺院に確認してください。仏式の儀礼で用いる名前や納骨の条件も、別に確認することが大切です。
俗名(本名)のまま供養する方が増えている理由
近年は、次のような事情から、俗名のまま供養される方も増えています。
- 菩提寺がない、お寺とのお付き合いがない
- 無宗教で形式にこだわらない
- 費用面の負担が心配
- 家族の意向として「本名で供養したい」
- お墓を持たず、永代供養などを選ぶ
俗名のままで困ることはありますか?
俗名のままでも供養はできますが、将来の供養の形によっては、次のような場面で「戒名が必要になる」ことがあります。
1)菩提寺がある場合(過去帳・法要の作法)
菩提寺がある場合、過去帳の記載や法要での読経の都合上、戒名(法名)を用いることが一般的です。
そのため俗名のままにすると、お寺側の作法と合わず、後々話が複雑になることがあります。
2)位牌を作るとき・過去帳に記すとき
位牌の意味や用い方は宗派によって異なります。俗名の位牌を一律に無意味と決めつけず、本人・故人の信仰とご家族の希望を寺院に伝えて相談してください。
3)寺院での納骨・永代供養を申し込むとき
寺院や納骨堂によっては、申込書や名簿の記載に戒名欄がある場合があります。
ただし、近年は俗名での受付に対応する施設も増えていますので、事前確認が大切です。
戒名をつけるか迷うときの判断ポイント
「つける/つけない」で善し悪しは決まりません。
次のポイントを整理すると判断しやすくなります。
- 菩提寺があるか(今後の法要・納骨の予定)
- 位牌をどうするか(本位牌を作る予定があるか)
- 家族の合意があるか(後悔や揉め事を残さない)
- 供養をどこで続けるか(自宅中心/寺院中心)
戒名は後からでもつけられます
葬儀のときは気持ちの整理がつかず、決めきれないこともあります。
戒名は、事情により一周忌・三回忌など後から授かることも可能です。
今すぐ結論を出せないときは、焦らずに「今後の供養の形」を整えながら考えていきましょう。
住職よりひとこと
俗名のままでも、供養はできます。
ただ、戒名には「仏弟子としての名」という意味と、供養のよりどころとしての役割があります。
大切なのは、故人を思う心と、ご家族が納得して手を合わせられる形を選ぶことです。
解決しない場合はご相談ください
「菩提寺がない」「家族で意見が分かれる」「将来の納骨先が決まっていない」など、状況によって最適な選択は変わります。
差し支えない範囲で事情を伺い、無理のない供養の進め方をご一緒に考えます。
俗名の扱いは信仰と納骨先の条件を分けて確認
故人を本名で偲ぶことと、寺院の宗教儀礼で用いる名前は分けて考えましょう。俗名の位牌を「意味がない」「魂が宿らない」と一律に断定することは避けます。また、浄土真宗本願寺派のように位牌を中心としない作法もあります。仏式の法要、位牌・過去帳、納骨の可否はそれぞれ関係先に確認してください。
参考にした公式情報(2026年10月24日確認):天台宗:葬儀と供養について / 浄土真宗本願寺派:法名・法要のよくある質問。受付条件やお布施は変更される場合があるため、申込み時に最新の案内を確認してください。
あわせて確認したい戒名のQ&A
戒名・法名の意味と宗派による違い / 戒名は必ず必要? / 戒名Q&A一覧
よくある質問(FAQ)
戒名なしで納骨できますか?
受け入れ条件は墓地・納骨堂ごとに異なります。宗派不問という案内でも、儀式や名前の登録方法は申込み前に確認してください。
俗名の位牌には意味がありませんか?
一律には断定できません。位牌の意味づけや用い方は宗派によって異なるため、希望する供養の形を寺院に伝えて相談しましょう。
後から戒名を授かれますか?
葬儀後の授与を相談できる寺院があります。既存の位牌や墓石をすぐ作り直さず、授与先と管理者に必要な対応を確認してください。
個別のご事情は、お問い合わせフォーム、LINE相談、仏事相談と過去の相談アーカイブをご利用ください。
