お寺ネット人生相談|2008年5月26日〜27日の掲示板相談をもとに再編集しています。相談者:ヨッシーさん/30代男性(相談当時)/No.6418/原題「どうしたらいいのでしょうか?」
新しいIT関連の職場で働き始めて約1か月。次々と説明される仕事を覚えきれず、上司から叱られ、家では父から退職を勧められる。職場にも家にも居場所がないように感じていたヨッシーさんの相談です。「我慢するか、辞めるか」だけに絞らず、仕事の教わり方と生活への負担を整理します。
相談:一度で仕事を覚えられず、会社でも家でも責められます
私は30代の男性で、新しい職場に入って約1か月の契約社員です。通勤には2時間かかります。IT関連の仕事をしていますが、なかなか覚えられません。
上司から「一度教えたことが、なぜ一度でできないの?」と言われます。PCの設定を尋ねても、パソコン操作ができるなら一度聞けばできるはずだ、というように言われます。
必死にメモを取っていますが、次々と別の作業の説明があり、混乱しています。メモを書くので精一杯で、何のための作業かという目的も分からないまま取り組んでいます。一度教わっただけでこなせないことが悩みです。
両親に話すと、父から「そんな難しい仕事で苦しむなら辞めてしまえ」「長く続かないのだから、簡単で一生働ける仕事を探せ」と言われました。会社でも家でも文句を言われ、居心地が悪いです。
以前は死にたいと思ったこともありましたが、周りの人に助けてもらい、今は死にたくありません。それでも、生き地獄のようにつらく感じます。続けるなら収入のために気合いで頑張るしかなく、辞めれば次は一生働ける場所を探さなければ、という重圧があります。どうしたらよいのでしょうか。
※相談文は要旨を保って表記を整理し、接続情報や装飾画像は省略しました。通勤2時間が片道か往復かは原文から特定していません。「今は死にたくない」という相談当時の言葉を尊重し、現在の状況を推測していません。
当時寄せられた返信
巳朱さん(2008年5月27日00:04/No.6425)は、叱責や次々の指示がなければ今の仕事を楽しめるか、自分がその職種を好きかを考えてはと提案しました。父との価値観の違いを意識し、自分の方向性や働く環境を見直すことにも触れています。
一方、情熱があれば叱責に耐えられ、記憶力も保てるという説明や、努力すれば必ず合う会社に出会えるという断定は、そのまま助言として用いません。ITの仕事にもさまざまな役割があり、好きであっても教わり方や職場環境によって苦しくなることがあります。父の本心や職場の実態も、この相談だけでは判断できません。
お寺ネット住職
ヨッシーさん、メモを取りながら必死についていこうとしているのに、質問までしにくいのですね。家で相談しても「辞めろ」と言われれば、どこで気を休めたらよいか分からなくなると思います。
一度でできなかったことだけで、能力や仕事への適性を決めなくてよいのです。PCを操作できることと、その職場固有の設定や手順を理解していることは同じではありません。まずは本人の努力だけでなく、説明の速さ、手順の分かりやすさ、確認できる仕組みを分けて考えてみましょう。
メモを増やす前に、目的と完成の目安を確認する
操作を順番に書き取るだけでは、何を目指す作業か分からないままになりがちです。可能なら「この作業の目的と、どの状態になれば完了なのかを先に教えていただけますか」と尋ねてみてください。
メモは「目的」「手順」「完了の確認」「分からないときの連絡先」に分けると、後から確かめやすくなる場合があります。一つ説明されたら、「ここまでを私の言葉で確認させてください」と短く復唱し、理解が違っていないか確認する方法もあります。
ただし、本番環境や顧客の情報を扱う作業で、分からないまま試すことは避けてください。既存のマニュアルの有無、練習用の環境、実行前の確認が必要な箇所を教わりましょう。画面の記録や資料の持ち出しは、会社の規則と許可を確認してください。

次々と指示されるときは、優先順位を一つずつ確認する
「Aの途中でBとCの説明が入り、確認できずに混乱しています。今はどれを先に終えるべきでしょうか」と、具体的な状況を伝える方法があります。「もう少しゆっくり」だけより、「一つ説明を受けて、実際に確認してから次に進めますか」と頼む方が、必要な調整を共有しやすいかもしれません。
上司に直接相談しにくい場合は、教育担当者、別の先輩、人事などに「習得を進めたいので、確認の時間や担当者を決めたい」と相談して構いません。質問すること自体を責められ続けるなら、本人だけで工夫して解決する問題とは限りません。
通勤と体調も、仕事を続ける条件に入れる
通勤に2時間かかるとのことですが、片道か往復か、睡眠や休む時間がどれだけ取れているかによって負担は違います。仕事の難しさだけでなく、通勤、残業、食事、眠りも書き出してみてください。疲れが強い状態で覚えようとしている可能性も、考える必要があります。
眠れない、食べられない、出勤前の不安が強いなどの状態が続くなら、かかりつけ医や精神科・心療内科、職場にいれば産業医や相談担当者へ相談してください。気合いで慣れるまで耐えることだけを選択肢にしなくてよいのです。
父には、今ほしい助けを短く伝える
お父さんの言葉が心配から出たのか、価値観の違いからなのかは分かりません。ただ、今のヨッシーさんにとって、それが重圧になっていることは伝えてよいと思います。
「辞めるかどうかを決めてほしいのではなく、まず話を聴いてほしい」「今すぐ一生続ける仕事を決めろと言われると苦しくなる。まず職場への相談から考えたい」といった言い方もできます。話すたびにつらくなるなら、仕事の相談相手を家族以外にも持ち、父と話す時間や話題を区切っても構いません。
「簡単な仕事なら一生安泰」とも、「好きなITなら必ず続く」とも言い切れません。仕事の内容に加えて、教育体制、通勤、勤務時間、収入、契約条件などを含め、無理なく働ける条件を考えましょう。
我慢か退職かを、今日一人で決めなくてよい
今の職場で教わり方を変える、業務量や担当を相談する、働きながらほかの仕事を調べる、体調のために休む必要があるか相談するなど、間の選択肢もあります。何を調整できるかは会社や契約によるため、確認してから考えてよいのです。
契約社員の場合、契約期間、更新の条件、退職の扱い、収入や利用できる制度は個別に確かめる必要があります。手続きや給付を決めつけず、人事や公的な相談窓口へ確認しましょう。
上司の言動や職場の対応に悩む場合は、日時、言われた言葉、説明や質問の経緯などを事実としてメモし、総合労働相談コーナー(厚生労働省)に相談できます。あらゆる分野の労働問題について、面談や電話で相談でき、利用は無料です。ここだけでパワーハラスメントや違法性を断定せず、具体的な状況を確認してもらいましょう。

以前、助けになった人ともつながり直してよい
「今は死にたくない」という気持ちと、それでも強く苦しいという気持ちの両方を大切にしたいと思います。以前支えてくれた人に、「今も職場と家の両方でつらい」と話してよいのです。働くことに関する心の悩みは、こころの耳の相談窓口(厚生労働省)も利用できます。相談方法や受付時間は案内をご確認ください。
もし死にたい気持ちが再び強まり、自分を傷つけそうになったときは、一人で我慢せず、危険なものや場所から離れ、安心できる人にそばにいてもらってください。差し迫った命の危険があるときは119など緊急の助けを求め、お寺やメール相談の返事を待たないでください。
まずは「覚えるための条件」を一つ相談する
仏教の言葉を、苦しみに耐え続ける義務にする必要はありません。ご縁を大切にすることには、自分の心身を守り、必要な支えを求めることも含めてよいと思います。
今週できそうな一歩として、「作業の目的と完了の確認を教わる時間がほしい」と相談する。その反応と自分の体調を見ながら、次の選択を支援者と考える。仕事を続けるにしても、別の場所を探すにしても、自分を責めるためではなく、より安全に暮らすために選んでよいのです。
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※過去の掲示板相談をもとに再編集しています。個別の診断や治療、契約・制度の適用は専門の窓口へご相談ください。イラストはイメージで、実在の相談者を描いたものではありません。

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