「水子供養をしたいけれど、どのようなお寺や方法を選べばよいのかわからない」「今のパートナーと一緒にお参りしてもよいのでしょうか」。お寺ネットに寄せられたご相談と当時の回答をご紹介し、住職の立場から補足します。
結論|今のパートナーと一緒でも、お一人でもお参りできます
ご本人が望み、今のパートナーもお気持ちを大切にして一緒に手を合わせたいと思っているのであれば、同行を遠慮する必要はありません。子どもの実の父親でなければお参りできない、ということではありません。参列人数や受付の方法は、お願いするお寺に確認しましょう。
実の父親と一緒に行けない事情があっても、供養ができなくなるわけではありません。お一人でお参りすることもできます。誰と行くかで供養の良し悪しを比べず、ご自身が落ち着いて手を合わせられる形を選んでください。
ご相談|以前の相手との子どもの供養に、今の彼と行ってもよいですか?
相談者:ももさん
投稿日:2008年2月17日 22:41/相談番号:No.225
原題:水子供養についてのご相談
一年半ほど前に中絶した子どもの供養をしたいと思っています。いくつかのお寺を調べましたが、どのような供養を選べばよいのかわからず、ご相談しました。
その子は、今お付き合いしている男性との子どもではありません。事情を話したところ、彼は一緒に供養に行きたいと言ってくれました。一緒に行っても問題はないのでしょうか。それとも、その子の父親と行くほうがよいのでしょうか。
※ご相談原文の趣旨を保ち、読みやすく整えています。
当時の回答|一緒に供養したいというお気持ちを大切に
回答者:浄徳寺隆胤さん
回答日:2008年2月18日 18:35/回答番号:No.229
当時の回答では、両親が一緒に供養することを勧めつつも、さまざまな事情でそれがかなわない場合があると説明されています。そして、今お付き合いしている男性が一緒に行ってくれることを肯定し、共に供養するよう案内されています。供養の形には、一回の読経、戒名を授ける供養、永代供養などがあるとも述べられています。
原回答には「実のお父さんが来られないことを詫び」という言葉もあります。ただし、それを参列や供養の必須条件と受け取る必要はありません。以下は今回加えた住職の補足で、当時の回答者の発言とは区別しています。
住職の補足①|実の父親に、無理に連絡を取らなくても構いません
お二人がともに望み、無理なくお参りできるのであれば、一緒に供養することは一つの形です。しかし、別れた相手と連絡が取れない、会いたくない、会うことでつらくなるなど、事情はそれぞれです。供養のために関係を戻したり、無理に連絡を取ったりする必要はありません。
今のパートナーは、その子の父親の代わりにならなければいけないわけではありません。「あなたの気持ちを大切にし、一緒に手を合わせる人」として、そばにいていただいてよいのです。ご本人が一人でお参りしたい場合は、その思いも大切にしてください。
お参りの際に決まった言葉で事情を説明したり、誰かの不在を詫びたりしなければならないわけではありません。心の中で語りかけても、言葉にならず静かに手を合わせるだけでも構いません。
住職の補足②|一年半経っていても、今から供養できます
時間が経ってから「供養したい」と思われる方もいらっしゃいます。すぐにお参りできなかったことを、ご自身を責める理由にしないでください。今のお気持ちで、できるところから始めてよいのです。
例えば本寿院の公式案内でも、何年も経ってからの供養や、一人でのお参り、方法を決める前の相談を受け付けています。これは一寺院の案内例ですので、ご希望のお寺でも対応を確かめてみましょう。
参考:本寿院「水子供養をお考えの方へ」
お寺へ行く日がすぐに決められなくても、ご自宅で静かに手を合わせることから始められます。供養は、ご自身を責め続けるためのものではなく、小さないのちを思い、向き合う時間としてお考えいただければと存じます。
住職の補足③|水子供養は、どのお寺でも同じではありません
原回答には「たいていのお寺でしたら水子供養はやっておると思います」とありますが、実際の受け入れやお勤めの形は、宗派・寺院によって異なります。「水子供養」という独立した法要を設けないお寺もありますので、まずは事前にお問い合わせください。
お付き合いのあるお寺があれば、そちらに相談する方法があります。ご縁のないお寺を探す場合は、公式の案内で所在地や連絡先、法要の内容を確認し、質問に丁寧に答えてくださるかを大切にするとよいでしょう。
「高い供養をしないと不幸になる」といった不安をあおる説明で、急いで決める必要はありません。費用の高さや供養の規模が、子どもへの思いの深さを決めるわけではありません。内容と費用に納得し、安心してお参りできるお寺を選んでください。
供養の方法|読経・戒名・永代供養は、どう選べばよいですか?
読経による供養
僧侶のお勤めに合わせて手を合わせます。ほかの方と同じ法座でお参りする合同法要や、一組ごとに行う個別法要などがあります。どちらを選ぶかは、気持ちや日程、お寺の受付に合わせて相談してください。
戒名や位牌を伴う供養
戒名を授けたり位牌を用意したりする寺院もあります。名称や意味、扱いは宗派によって異なります。必ず用意しなければ供養できない、と考えず、そのお寺でどのような形を勧めているのか説明を聞きましょう。
永代供養
お寺に継続的な供養をお願いする方法です。ただし、法要の頻度、位牌などの安置期間、追加の費用、将来の取り扱いは寺院ごとに異なります。「永代」という言葉だけで判断せず、何をどの期間お願いできるのかを確かめてください。
初めからすべてを申し込む必要はありません。「まず一度お参りしたい」「まだ方法を決めていない」と伝えて、今の気持ちと暮らしに合った形を相談してよいのです。
予約前に確認すると安心なこと
・今のパートナーと二人、または一人で参列できるか
・予約の要否、合同・個別の違い、所要時間
・読経などの内容と、お布施・追加費用の有無
・服装、お供え、持ち物についての指定
・名前の読み上げ方や、申込書に必要な情報
・郵送物や電話連絡の有無、連絡方法の希望を伝えられるか
・戒名・位牌・永代供養を希望する場合の内容と、その後のお参り
遺骨やエコー写真などが手元になくても供養を受け付けるお寺はあります。持ち物をそろえるために無理をせず、何が必要かを先に尋ねてください。写真などを預ける場合は、返却されるのか、お焚き上げなどで戻らなくなるのかも確認しましょう。
事情をどこまで話すか迷うときは、「話すのがつらいことがあるので、必要な事項だけ教えてください」とお伝えになって構いません。プライバシーについても、どのお寺でも同じ対応だと決めつけず、ご自身の希望を事前に確認してください。
二人でお参りするときに、大切にしたいこと
今のパートナーと行く場合は、当日どう過ごしたいかを軽く話し合っておくと安心です。「一緒に本堂へ入ってほしい」「僧侶には一人で話したい」など、ご本人の希望を中心に考えましょう。
付き添う方は、詳しい事情や気持ちを聞き出そうとせず、そばにいて話を聞くだけでも支えになります。法要が終わったからといって、すぐに気持ちを切り替える必要はありません。帰りは静かに過ごす、少し休むなど、その日の心に合わせてください。
お寺ネット住職から|いま、手を合わせたいお気持ちを大切に
ももさんが「供養したい」と思われたお気持ちと、それを受け止めて一緒に行こうとしてくださる方の思いを、大切になさってください。誰と行くべきかという形にとらわれて、お参りそのものが苦しいものにならないよう願っています。
お一人でも、信頼できる方とご一緒でも構いません。ご自身が安心して手を合わせられる場所で、いまの言葉、いまのお気持ちを大切にお参りください。合掌。
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出典・編集について
出典:お寺ネット過去相談「水子供養についてのご相談」No.225(2008年2月17日)および回答No.229。相談・回答の趣旨を整理し、当時の回答と区別して住職の補足を追加しました。供養の受付・内容・費用は各寺院にご確認ください。画像は相談の趣旨を表し、実在の相談者や特定の寺院を描いたものではありません。

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