お彼岸に仏壇を購入しても大丈夫?開眼・納骨の順序と娘への引き継ぎ

お彼岸に迎えた仏壇の前で父と娘が手を合わせるイラスト。「お彼岸に仏壇を迎えても大丈夫?」の見出しと、お寺ネット仏事相談室のロゴ。
お彼岸に迎えた仏壇の前で、父と娘が手を合わせるイメージイラスト。

お寺ネット 仏事相談
相談者:くま さん(投稿名)|相談日:2008年2月23日|相談番号:No.264
相談タイトル:お仏壇購入について

※過去に寄せられたご相談を読みやすく整理し、当時の回答と、お寺ネット住職としての補足を分けて掲載しています。宗派・地域・お寺によって作法は異なります。

目次

結論|お彼岸に仏壇を迎えても差し支えありません

お彼岸だから仏壇を購入してはいけない、という一律の決まりはありません。お母さまを偲び、ご家族で手を合わせる場を整えたいというお気持ちを、大切になさってください。

お彼岸のお参りに合わせて、新しい仏壇のご本尊をお迎えする法要をお願いできる場合もあります。ただし、通常のお参りとは準備が異なることがあるため、購入前・訪問前に菩提寺へ相談することが大切です。納骨と仏壇の準備の順序も、家族とお寺で相談して決めましょう。

ご相談内容|購入時期と、結婚した娘が引き継ぐことへの不安

母の百箇日を終え、仏壇を購入しようと考えています。お彼岸にはお寺さんに来ていただく予定なので、その時期に仏壇を迎え、開眼もお願いできるでしょうか。初盆前には納骨をする予定ですが、納骨より先に仏壇を用意した方がよいのでしょうか。お彼岸に仏壇を入れてもよいのか、気になっています。

私は一人っ子で、結婚して名字が変わりました。両親と同居していましたが、母が亡くなりました。父のためにも仏壇を迎えたいと思っています。将来、父が亡くなったあとも、その仏壇を私が持ち続けてよいのでしょうか。

当時の回答|浄徳寺隆胤師からの助言

回答者:浄徳寺隆胤 師|2008年2月24日|回答番号:No.267

当時の回答では、仏壇を購入する時期について、僧侶それぞれの考えに加え、地域の習慣もあるため、菩提寺の住職に尋ねるよう勧めています。別のお寺の説明が、その地域や菩提寺の考えと異なると、相談者がかえって戸惑うことを案じた助言です。

この回答は購入時期についての助言です。以下の開眼・納骨・引き継ぎの説明は、当時の回答に書かれていたものではなく、今回加えた補足です。

住職からの補足①|購入日より、無理なくお参りできる準備を

くまさん、お母さまを亡くされてから、慣れない仏事の一つひとつを大切に考えてこられたのですね。「順番を間違えてはいけない」と心配になるお気持ちもあるかと思います。私はまず、日付への不安だけで、お母さまを偲ぶお気持ちまで苦しくしてしまわないでいただきたいと思います。

お彼岸を、ご家庭でお参りする場所を整える機会にして構いません。百箇日を過ぎたから遅すぎる、とご自身を責める必要もありません。置く場所や予算、お父さまが日々お参りしやすい高さなど、暮らしに合うことも大切です。

仏壇は、ご本尊をお迎えし、仏さまの教えに向き合う場です。その前で亡き人を偲ぶ時間も大切にできます。大きさや価格だけで思いの深さが決まるものではありません。購入前に宗派、ご本尊、必要な仏具をお寺に確認すると、迎えたあとに困りにくくなります。

住職からの補足②|お彼岸のお参りと開眼は、事前に相談を

「お彼岸に来ていただくとき、新しい仏壇の法要もお願いできますか」と、あらかじめお尋ねください。お彼岸はお寺の予定が重なる時期です。当日に初めて依頼するのではなく、納品日やご本尊の準備も含めて調整しましょう。

法要の呼び方や意味は、宗派によって異なります。「開眼法要」と呼ぶ宗派がある一方、浄土真宗では、ご本尊を迎える法要を「入仏法要」などと呼び、魂を入れる儀式とは考えません。すべての宗派を「魂入れ」という説明で一括りにしないことが大切です。

例えば、日蓮宗の公式Q&Aでは仏壇の購入前の相談と開眼法要の依頼を案内し、浄土真宗本願寺派の公式Q&Aでは入仏法要の意味を説明しています。ご自宅で必要な準備は、実際にお勤めをお願いするお寺の案内に沿って整えてください。

住職からの補足③|納骨より先に仏壇が必要なのでしょうか

「仏壇を購入しなければ納骨できない」と、すべてのご家庭に共通する順序で考える必要はありません。仏壇はご家庭でお参りする場を整えること、納骨は遺骨をお墓や納骨堂などにお納めすることです。関連する仏事ではありますが、それぞれの準備があります。

納骨までに仏壇が整えば、その前で日々手を合わせることができます。一方、納品や住まいの事情で準備が後になるときは、お寺に事情を伝え、今できるお参りの仕方を相談しましょう。仏壇がまだないことだけで、故人への思いが足りないということにはなりません。

今回の「お彼岸に仏壇を迎え、初盆前に納骨する」という予定を、そのまま菩提寺へ伝えてみてください。納骨先の受け入れや法要の予定と合わせ、無理のない日程を考えていただくとよいでしょう。

住職からの補足④|名字が変わった娘も仏壇を大切にできます

結婚して名字が変わったことだけを理由に、ご両親の仏壇を持ち続けてはいけないと考える必要はありません。お母さま・お父さまを大切に思うお気持ちは、名字が変わっても続いています。

お父さまが亡くなられたあとも、娘さんが仏壇を受け継ぎ、お参りしていくことはできます。ただし、ご家族で宗派が異なる場合や、配偶者側の仏壇もある場合には、ご本尊やお祀りの仕方を自己判断で変えず、お寺とご家族で相談してください。

お父さまがお元気なうちに、今後のお参りや法事をどのように続けたいか、話してみてはいかがでしょう。仏壇の引き継ぎと、お墓の管理やお寺とのお付き合いは、それぞれ確認することがあります。一人で全部を背負おうとせず、続けられる形を探していただきたいと思います。

菩提寺に相談するときの確認事項

① お彼岸に仏壇を迎えたいことと、納品予定日
② 宗派に合うご本尊・仏具と、法要までに用意するもの
③ お彼岸のお参りと、新しい仏壇の法要を同じ日にお願いできるか
④ お供えやお布施など、当日の準備
⑤ 初盆前の納骨予定と、今後の仏壇の引き継ぎ

例えば、「母の百箇日を終え、お彼岸に仏壇を迎えたいと思っています。お参りの日に必要な法要もお願いできますか。初盆前の納骨と、将来は娘の私がお参りを続けることについても相談したいです」と伝えれば、事情が分かりやすくなります。

住職からのひとこと

仏事は、間違いを探してご家族を苦しめるためのものではありません。分からないことを尋ね、ご家族で話し合い、手を合わせる暮らしを少しずつ整えていけばよいのです。

当時の隆胤師の「菩提寺に尋ねてください」という助言は、くまさんのご家庭に合った形を大切にするためのものと受け止めています。お父さまとともに、お母さまを偲べる穏やかな場所を整えていただければと思います。合掌

関連する仏事相談

うるう年に仏壇やお墓を買っても大丈夫?
仏壇を迎える時期について、言い伝えが気になる方へ。

実家の仏壇を自宅で預かっても大丈夫?
仏壇の引き継ぎや移動を考えている方へ。

家族で宗派が違っても大丈夫?先祖供養やお経はどうする?
結婚後のご家庭で、宗派やお参りの仕方に迷う方へ。

お寺ネットの仏事相談へ
ご家庭の事情に合わせたご相談はこちらをご利用ください。

参考資料・編集について

宗派による法要の違いは、日蓮宗公式「仏壇について」、浄土真宗本願寺派公式「よくあるご質問」を参照しています。

相談・当時の回答:お寺ネット仏事相談 No.264/No.267(2008年2月23日・24日)。相談文は趣旨を保って整理し、当時の回答は要約しています。住職としての補足は今回の再編集にあたり加えたもので、当時の回答者による追加回答ではありません。

  • URLをコピーしました!

コメントで応援してあげてください

コメントする

CAPTCHA


アップロードファイルの最大サイズ: 5 MB。 画像, 音声, 文書, テキスト をアップロードできます。 Youtube、Facebook、Twitter および他サービスへのリンクは自動的にコメント内に埋め込まれます。 ここにファイルをドロップ

このサイトはスパムを低減するために Akismet を使っています。コメントデータの処理方法の詳細はこちらをご覧ください。

目次