大切にしてきたお人形をお寺に託すとき、「お布施の包み方を間違えたら失礼では」と心配になる方もいらっしゃいます。お寺から指定がなければ、白い無地の封筒に「御布施」または「お布施」と氏名を書く形が、一つの分かりやすい用意の仕方です。新札を避ける必要もありません。細かな形だけに気を取られず、これまでの感謝を込めてお納めください。
原題:お人形供養のお布施について
相談者:しまなみさん/2008年5月29日22:32/No.688
当時の相談・返信を要約し、お寺ネット住職として加筆しています。受付方法などの参考情報は2026年10月30日に確認しました。
ご相談:白い封筒に「お布施」と書けばよいでしょうか
人形供養について調べたものの、お布施をどのようにお渡しすればよいか分かりません。「お布施」と書いた白い封筒でよいでしょうか。新札は避けるべきでしょうか。ほかに気をつけることも教えてください、というご相談です。
当時の回答:表書きには複数の言葉があり、お札の新旧は気にしすぎなくてよい
一僧侶さん/2008年5月30日06:14/No.693
「お布施」に代わる表現として、ご志納・ご喜捨・ご奉納・ご宝前などを挙げ、ご志納やご喜捨が無難ではないかと回答しました。また、この場合のお札については気にとめなくてよいと伝えています。
これは当時の回答者の見解です。これらの表書きが、どのお寺・どの宗教施設でも同じように使われるという意味ではありません。以下では、お寺に人形供養をお願いする場面の目安として整理します。
住職から:迷ったら「御布施」と氏名を、分かりやすく
お寺にお納めするお布施は、供養のご縁への感謝を表すものです。「御布施」は失礼な表書きではありません。実際に、本寿院の人形供養の案内でも、「お布施」と書いた封筒でお納めいただく方法を案内しています。申し込むお寺が専用の袋や「供養料」「志納金」などの記載を指定している場合は、その案内に合わせましょう。
| 用意するもの・書くこと | 目安と考え方 |
|---|---|
| 封筒 | 白い無地の封筒で差し支えありません。水引のないものでも用意できます。寺院指定の袋があれば、それを使います。 |
| 表書き | 表の上部に「御布施」または「お布施」、下部に申込者の氏名を書きます。 |
| 文字 | 読みやすい濃い黒の文字で。筆に慣れていなければ、読めるよう丁寧に書くことを大切にしてください。 |
| 氏名・連絡先 | 申込者とお布施の名義が分かるように。連絡先や申込番号は、お寺の指定があれば封筒の裏や申込書に記入します。 |
| 金額の記載 | 記入欄や指定がある場合は従います。指定がなく迷うときは、受付で確認してください。 |

※本文画像の「山田太郎」は記入例の架空の氏名です。袱紗(ふくさ)やお盆も丁寧な扱い方の一例で、持っていなければ供養をお願いできないというものではありません。
新札でも、きれいなお札でも大丈夫です
人形供養のお布施を、葬儀でご遺族にお渡しする香典と同じように考えなくて大丈夫です。新札だから失礼ということはなく、わざと折り目をつける必要もありません。手元にあるお札でも、汚れや傷みのひどくないものを丁寧にそろえて包めばよいでしょう。
お札の新旧や折り目だけで、感謝の気持ちや供養の意味が決まるものではありません。お寺独自の案内がある場合は、それを確かめれば十分です。
いつ、どのように渡せばよいでしょうか
受付時に納めるお寺もあれば、法要前後に受け取るお寺もあります。到着したら「人形供養をお願いしている〇〇です。お布施はこちらでお渡ししてよろしいでしょうか」と尋ねると、落ち着いてお渡しできます。
袱紗に包んで持参した場合は、渡すときに封筒を取り出します。受付にお盆があればそれを使い、なければ相手が受け取りやすいよう両手で差し出してください。無理に特別な品を買いそろえる必要はありません。
添える言葉は、「大切にしてきたお人形です。どうぞよろしくお願いいたします」で十分です。読経中などに割り込まず、受付の方の案内に従いましょう。
金額と受け入れ条件は、申し込み先へ確認しましょう
人形供養のお布施や供養料は、お寺によって案内が異なります。箱の大きさ、個数、合同か個別か、ガラスケースや金属部品の扱いなどにより、必要な費用が変わる場合もあります。全国共通の金額として決めつけず、申し込み前に確認してください。
| 確認したいこと | 尋ね方の例 |
|---|---|
| お布施・供養料 | 「この大きさ・個数の場合、目安や決まった費用はありますか」 |
| 受付と法要 | 「予約は必要ですか。持ち込みできる日時と、法要に参列できる日時を教えてください」 |
| 人形以外の付属品 | 「ガラスケース、台座、飾り道具も受け付けていただけますか」 |
| 納め方 | 「当日は封筒で持参しますか。振込など指定の方法がありますか」 |
負担が大きいと感じる場合は、そのまま申し込まず相談しましょう。金額の大小を、お人形を大切にしてきた気持ちの大小に結びつける必要はありません。
郵送する場合:現金を普通郵便やゆうパックに入れないでください
遠方のお寺へ送るときは、まず郵送での人形供養を受け付けているか、送り先・梱包・申込書・納め方を確認します。現金を送る場合は現金書留を利用し、普通郵便やゆうパックに現金を入れないでください。振込を受け付けているお寺であれば、指定口座と申込者名の照合方法を確かめます。
日本郵便は、現金の送付には現金書留を利用すること、ゆうパックは現金書留にできないことを案内しています。参考:日本郵便「書留」/現金書留と物品・手紙の同封について。古い寺院案内に「人形と一緒に同封」と書かれていても、配送サービスの現在の取扱条件に従ってください。
よくある疑問
「御志納」ではなく「御布施」と書いてもよいですか?
お寺への人形供養で「御布施」は差し支えのない表書きです。お寺から指定があれば、その表記に合わせてください。
白黒の水引や薄墨が必要ですか?
香典袋を必ず用意する必要はありません。指定がなければ白い無地の封筒と、読みやすい濃い文字で準備する方法があります。
新札しかありません。折ってから入れるべきですか?
わざと折る必要はありません。お札を丁寧にそろえて包んでください。
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お寺ネット住職より――大切にしてきたものを、感謝してお見送りしたい。そのお気持ちを、どうぞ大事になさってください。分からない作法は、お寺に尋ねてよいのです。完璧な包み方よりも、丁寧に相談し、心を込めてお納めすることを大切にしましょう。合掌。

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