お寺ネット人生相談|2008年5月12日の掲示板相談をもとに再編集しています。相談者:空と海さん/No.5553/原題「辛いです」
病気と生活苦の中で宗教に勧誘され、借りたお金への負い目から、母の位牌を手放すよう求められて断れなかった。その後も後悔と罰への恐怖に苦しんでいた空と海さんの相談です。母を思う気持ちを否定せず、体調、生活、宗教や借金の問題を一人で抱えない道を考えます。
今、命の危険や薬による異変がある方へ
今、自分を傷つけそうな方は、記事を読むことより安全を優先してください。危険なものや場所から離れ、安心できる人に「一人だと危ない。そばにいてほしい」と伝えてください。すでに薬を多く飲んだ、意識がおかしい、呼吸に異常がある、差し迫った命の危険がある場合は119へ。自分で連絡できないときは近くの人に頼んでください。
死にたい気持ちを抱えきれないときの相談先:#いのちSOS 0120 061 338/https://www.lifelink.or.jp/inochisos/。つながらず安全を保てない場合は、一人で待たず、身近な人や救急へ助けを求めてください。
相談:母の位牌を手放した後悔と、罰への恐れが消えません
難病があり、お金も全くなく切羽詰まっていたとき、ある宗教を熱心に勧められて入会しました。何度もお金を貸してもらい、断れなくなっていました。
そのとき、本尊があり題目を唱えるから先祖の位牌を置いてはいけない、処分しなさいと言われました。母子二人で生きてきた私にとって大切な、亡くなった母の位牌でした。それでも生きるためだと母に手を合わせ、海に流してしまいました。今も後悔し、母は怒っているのではと悩みます。
入会当初は一生懸命に祈っていましたが、最近は人を勧誘することも求められ、母に申し訳ない気持ちが強くなりました。人に相談すると罰が当たりそうで怖く、誰にも言えません。
うつ病にもなり、難病と重なっています。一人暮らしで睡眠薬を飲んでいますが、夜中に料理や掃除などをしているらしく、夢遊病のように感じています。死ねば迷惑をかけずに済むのではと思うこともあります。借金を返すまでは死ねないと思いながら、自分を責めています。ただ、誰かに話を聞いてほしかったのです。
※相談文の要旨を保って表記を整理し、メールアドレス・接続情報・装飾画像・判読できない記号は省略しました。これは2008年の投稿で、現在の相談者の状況を示すものではありません。宗教団体名や薬の種類は資料から特定できません。
当時寄せられた返信
流さん(2008年5月12日19:31/No.5560)は、不安と体調のつらさを受け止め、投げやりにならず、自分を責めないでほしいと声をかけました。位牌は改めて作ることもできるので、詳しい人に相談してはと提案しています。
返信の温かい姿勢を大切にしつつ、故人の気持ちを誰かが確かめたり、言い切ったりすることはできません。ここでは母の怒りや罰を断定せず、位牌を作り直すことも義務にせず、今の心身と生活を守ることから考えます。
お寺ネット住職
空と海さん、病気とお金の不安の中で、断りにくい立場に置かれ、大切なお母さまの位牌を手放されたのですね。今も謝りたいほど悔やんでいることから、お母さまを大切に思っているお気持ちが伝わります。自分を「馬鹿だった」と責め続けなくてよいのです。
お金を借りたことと、信仰や供養のあり方を自分で考えることは、分けて相談してよい問題です。恩を感じる相手でも、すべての要求に従うほかないと、一人で結論を出さなくて構いません。まずは、今の安全と体調に支えをつけましょう。
記憶のない夜間の行動は、早急に処方元へ伝える
睡眠薬を飲んだ後、覚えていない間に料理や掃除をしているという体験は、放置せず、処方した医師や薬剤師へ早急に連絡してほしいことです。一部の睡眠薬では、十分に目覚めないまま行動し、後で覚えていない症状が報告されています。ただし、薬の名前や病状が不明なため、この相談だけで原因を判断することはできません。
「一人暮らしで、夜間に記憶のない行動がある。料理もしているらしい」と、そのまま伝えてください。次の服用をどうするかも含めて至急確認し、自己判断で追加したり、量を変えたり、急に中断したりしないでください。薬の名前、飲む時刻、ほかの薬、飲酒の有無、いつから起きたかを分かる範囲で伝えます。
夜間の調理は火傷や火事につながるおそれがあります。医療者に相談するとともに、可能なら安心できる人へ連絡し、一人で危険を抱えない方法を考えてください。眠気や意識のはっきりしない状態では、調理や運転をしないでください。今すでに意識や呼吸の異常、けがなどがある場合は救急を頼ってください。
参考:睡眠薬の睡眠随伴症状等に関する安全性情報(PMDA)。この資料が扱う薬を、相談者が飲んでいたと推定するものではありません。

位牌が手元になくても、母を思う気持ちまで失われません
位牌は故人を思い、手を合わせる大切なよりどころになり得ます。一方、位牌が手元にないという事実だけで、お母さまとのつながりや、これまでの感謝が消えたと考える必要はありません。宗派や家庭によっても供養の形は異なります。
今ある写真に手を合わせる、好きだったことを思い返す、「ごめんね」「ありがとう」を手紙に書く。負担にならない方法を選んで構いません。祈ること自体がつらい日は休んでもよいのです。海へ再び物を流す必要もありません。
改めて位牌を作りたいと思うなら、信頼できる寺院や仏具店に、分かる範囲の戒名・法名や俗名、命日などを伝え、どのような形がよいか、費用も含めて相談できます。戒名がもしわからなければ、俗名で作るか?もしくは新たに戒名を授かって供養することも出来ます。分からない情報があっても、まず尋ねて構いません。ただし、作り直さなければ災いが起きる、高額な供養をしなければ救われない、と急かす説明に従って支出を増やす必要はありません。
相談することを、罰への恐怖で閉じ込めない
相談をしたら罰が当たりそうだという恐れがあるのですね。その怖さも含めて、宗教団体と利害関係のない医療者、相談員、法律の専門家に伝えてよいのです。病気や夜間の異変を「位牌を処分した罰」と結びつける根拠は、この相談文にはありません。医療で確認すべき症状を、罰として我慢しないでください。
特定の宗教全体をこの一件だけで判断することはできません。一方で、望まない勧誘や物の処分を求められ、借金や恐怖で断れないという状況そのものは、外の人に相談する十分な理由になります。団体や勧誘した相手に一人で対抗しようとせず、相談先と安全な連絡方法や距離の取り方を考えましょう。
借金と生活費は、資料を分けて相談する
誰から、いつ、いくら借りたか、返済についてどんな約束をしたか。分かる範囲でメモにし、振込記録、借用書、やり取りなどがあれば保管してください。寄附・会費・購入代金と、借入れは分けて整理すると相談しやすくなります。資料がそろっていなくても相談はできます。
法テラスの霊感商法等被害者支援の案内では、宗教に関わる金銭問題や心の悩みなどの相談先情報を確認できます。借金の返し方や法的な対応は個別の事情で異なります。返済義務がない、必ず取り戻せると決めつけず、専門家に確認してください。
この相談は2008年のものであり、現在の法律や支援制度が当時の出来事にそのまま適用されるとは限りません。現在同じような悩みを抱える方への相談案内として掲載しています。生活費や医療費が足りないことも、自治体の生活相談や医療機関の医療ソーシャルワーカーなどに相談してよい内容です。

生きている価値を、借金の返済だけに結びつけない
「借金を払うまでは」と踏みとどまってこられたのですね。それでも、命の価値は返済できるかどうかで決まりません。亡くなれば迷惑がなくなると結論づけず、難病、うつのつらさ、死を考える気持ちを、今かかっている医療者へそのまま伝えてください。
まずは処方元へ、夜間の行動と一人暮らしの状況を連絡すること。そして信頼できる人や窓口に、「一人で抱えるのが限界です」と伝えることから。お寺での対話も支えの一つになりますが、緊急時の医療や法律・生活の支援と一緒に頼ってよいのです。
お母さまへの思いを、これ以上自分を罰する理由にしなくて構いません。今の暮らしと体を守るために、助けを借りることを大切にしてください。
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※過去の掲示板相談をもとに再編集しています。個別の診断・治療や法律の適用については専門家にご相談ください。イラストはイメージで、実在の相談者を描いたものではありません。

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