お寺ネット 人生相談
相談者:かなで さん/2008年1月19日/No.692
当時の相談タイトル:無題
信仰への入会を結婚の条件にされ、喜びの中にあった妊娠と二人の関係が大きく変わってしまった。好きな気持ちと怒り、喪失の悲しみを抱える相談です。彼を許すことを急がず、ご自身の意思と心身を大切にする道を考えます。
ご相談内容
私は宗教や信仰とは無縁に暮らしてきました。信仰を持つ彼と2年間交際し、妊娠したときは二人とも喜びました。年齢のこともあって子供は無理かもしれないと思っていた私に、彼は子供ができたら結婚してほしいと言ってくれていました。
ところが、妊娠をきっかけに彼から入会と活動を強く求められ、「すぐに入会しなければ結婚できない。子供は諦めてほしい」と言われました。時間をかけて理解したいと伝えても、受け入れてもらえませんでした。理解できない信仰を家族や友人に勧めることもできません。シングルマザーになる覚悟もあると伝えましたが、彼は頑なに拒みました。
悩み抜いた末に、私はつらい選択をしました。今も彼が好きで、その一方で彼の言葉や態度を恨んでしまいます。自分を責めても、苦しみは消えません。彼を許して忘れ、供養をして立ち直りたいのですが、どうすればよいのでしょうか。
※ご相談原文の趣旨を保ち、読みやすく整理しています。相談文に詳しく書かれていない出来事は推測で補っていません。
当時寄せられた返信(要約)
巡礼者 さん/2008年1月19日/No.694
関係を見つめ直し、縁を手放すことや供養を勧める返信が寄せられました。一方、相談者の執着が結果を招いたとする表現も含まれていました。この相談だけで原因や責任を断定することはできません。本記事では、かなでさんを責める説明として扱わず、悲しみとご本人の意思を尊重して考えます。
お寺ネット住職
かなでさん、喜びの中にあったはずの妊娠が、突然、信仰と結婚の条件を突きつけられる出来事になったのですね。失ったものへの悲しみと、彼への愛情、怒りが重なり、心の置き場がなくなっているように感じます。
今すぐ彼を許したり、忘れたりできなくても、ご自分を責めないでください。好きな気持ちと、傷つけられたことへの怒りは、同時に存在することがあります。立ち直るために、気持ちを一つに決める必要はありません。
信仰を尊重することと、入会することは別です
彼の信仰を否定しないことと、ご自身がその信仰に入ることは別の問題です。理解する時間を求めたり、活動への参加を断ったりする気持ちも、大切にされるべきものです。
今回の相談だけで宗教全体や彼の内心を断定することはできません。ただ、結婚や妊娠をめぐる重大な場面で入会を条件にされたことが、かなでさんを深く傷つけたという点は、曖昧にしなくてよいと思います。彼が悩んでいた可能性を考えても、ご自身が傷ついたことを取り消す必要はありません。
「彼が好き」と「この関係を続けられる」は分けて考える
彼への気持ちが残っていても、連絡や面会を続けなければならないわけではありません。接するたびに傷つくのであれば、距離を置くことも、ご自分を守る選択です。許すこと、再び付き合うこと、連絡を取ることは、それぞれ別に考えて構いません。
これからの関係を考えるときは、「入会しない意思を尊重してもらえるか」「安心して意見を伝えられるか」「結婚や子供のことを対等に話し合えるか」を、ご自身のために確かめてみてください。答えを急ぐ必要はありません。
一人で気持ちを整理しきれないときは、信頼できる人に相談文を見せてください。相手への説得や話し合いを、ご自身だけで背負う必要はありません。会うことに不安があれば、一人で会うことを避け、安心できる人に相談してから決めてください。

水子供養を、自分を罰するためのものにしないでください
水子供養を望むのであれば、安心して話を聞いてくれるお寺に相談してよいと思います。ただし、供養をしなければ不幸になる、決まった儀式をしなければ救われない、と考える必要はありません。
手を合わせる、花を供える、手紙に思いを書くなど、ご自身が無理なくできる形もあります。気持ちが追いつかない日は、何もしなくても構いません。供養を、悲しみを消すための期限や、ご自分を罰する義務にしないでください。
供養の方法や考え方は宗派・寺院によって異なります。希望する内容や費用を確かめ、納得できるところに相談してください。特定の品や高額な儀式を、不安の中で急いで決める必要はありません。

早く立ち直ることを、今の目標にしなくても大丈夫です
悲しみの深さを、反省の深さや愛情の証明にしなくてよいのです。日常を過ごせる日があっても、忘れたことにはなりません。怒りが戻る日も、何も考えたくない日もあるでしょう。気持ちが変わるたびに、ご自分を評価し直さなくて大丈夫です。
今日は食事を取る、少し休む、信頼できる人にひと言連絡する。そのくらいの小さなことからで構いません。眠れない、食べられない、生活に支障が出るほど苦しいときは、医療機関にも相談してください。お寺で話すことと、医療や心理的な支援を受けることは、両立できます。
気持ちを話せる相談先
身近な人には「結論を出してほしいのではなく、今の気持ちを聞いてほしい」と伝えてもよいでしょう。電話やSNS・チャットで相談したい方は、厚生労働省「まもろうよ こころ」で相談方法を選べます。
「死にたい」「消えたい」と感じるほどつらい場合は、#いのちSOS:0120-061-338(無料・毎日24時間)も利用できます。
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※2008年1月19日の相談と返信をもとに再構成しました。

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