お寺ネット人生相談|2008年5月29日〜30日の掲示板相談をもとに再編集しています。相談者:風見鶏さん/No.6560/原題「家族の不仲」
実家で両親と高校2年生の娘と暮らす風見鶏さん。母との言い争いが絶えず、娘にも注意ばかりしてしまうことを悩んでいます。仕事が終わる不安も重なる中、家族関係を一人で背負わず、話し方や進路の相談を少しずつ変える方法を考えます。
相談:娘と仲良く話したいのに、小言ばかり出てしまいます
私は離婚後、実家で高校2年生の娘と両親の4人で暮らしています。母と私と娘で、毎日小言の言い合いになってしまいます。なぜこんな関係になったのだろうと思います。
母との関係は、特に私が社会に出て働き始めてから悪くなりました。社会生活がうまくいかず、逃げるように結婚し、離婚して実家に戻りました。母の過干渉がつらく、今の自分について母を責めたこともあります。母と二人でいても笑顔になれません。
その関係を見てきたせいなのか、娘からも笑顔がなくなったと感じています。祖父母から「大学を出た方がいい」と言われて娘は進学校に進みましたが、今は自分の将来に悩み、何をしたいのか分からないと言っています。
私は発達障害を抱えていて、仕事も明日で終わります。的確な助言ができず、不甲斐ない母親だと感じます。本当は娘と仲良く話したいのに、口から出るのは注意ばかりです。娘が小さい頃は仲のよい親子でした。自分の母とは仲が悪いので、娘とは仲良くしたかったのに。この関係を改善する方法はあるでしょうか。自分はアダルトチルドレンでもあると感じています。
※原文の要旨を保って表記を整理し、接続情報や装飾画像は省略しました。発達障害やアダルトチルドレンについての記述は相談者の申告・受け止めです。仕事が終わる理由や、娘さんの心の状態を記事として断定していません。原文の祖父母の続柄は曖昧なため、特定していません。
当時寄せられた返信
巳朱さん(2008年5月30日22:26/No.6621)は、自分を責めることをいったんやめ、娘の成長やよいところに目を向け、小言の代わりに認める言葉を伝えてはと提案しました。幼い頃、自分が母に言ってほしかった言葉を思い返すことも勧めています。
雪さん(5月30日22:51・22:55/No.6624・6625)は、娘が進路を考えている姿を尊重し、仕事の種類、大学の学部・学科、学べる内容、資格や卒業後の進路を調べ、本人の関心と照らし合わせる方法を提案しました。No.6624は途中送信で、その続きがNo.6625です。
これらの返信の「成長を認める」「情報を一緒に探す」という視点を受け継ぎます。一方、心配することがすべて過干渉になるわけではなく、褒めれば必ず関係がよくなるとも限りません。情報を調べれば悩みが解決するという保証もありません。本人の気持ちや負担を確かめながら考えます。
お寺ネット住職
風見鶏さん、「娘とは仲良く話したい」と願いながら、つい注意が先に出てしまうのですね。お母さんとの関係、仕事の変化、娘さんの進路が重なれば、余裕を持つのも難しいと思います。気づいて相談されたことを、これからの関わり方を見直す入り口にしてよいのです。
家族の不仲を、風見鶏さん一人の責任にする必要はありません。娘さんに笑顔が少ない理由も、この投稿だけでは分かりません。母として完璧な答えを出すことより、娘さんが気持ちを話しやすい時間と、あなた自身が支えを借りられる場所を持つことから始めましょう。
注意する前に、「今、話を聴いてもいい?」
最初から長い話し合いを目指さず、落ち着いたときに短く伝えてみてはいかがでしょう。「最近、注意ばかりになっていたね。言い方がきつかったことはごめんね。進路のことで、今どんな気持ちか聴いてもいい?」というように、具体的な言い方について謝り、話すかどうかは娘さんに選んでもらいます。
娘さんが話し始めたら、すぐに「でも」「こうした方がいい」と結論を返さず、「何をしたいか決められなくて不安なんだね」と確かめてみます。「聴いてほしい? 一緒に考えてほしい?」と尋ねることもできます。話したくない日は、追いかけず「話したくなったら聴くね」で終えて構いません。
成績や進路だけでなく、「手伝ってくれて助かった」「そう考えていたんだね」と、気づいたことや感謝を具体的に伝える方法もあります。褒めることを、望む進路を選ばせる道具にしないようにしましょう。

言い合いになったら、一度中断してもよい
注意が必要な場面でも、人格を評価する言葉ではなく、一つの行動とお願いを短く伝えます。「いつもだらしない」より「帰りが遅くなるときは連絡があると安心する」といった形です。家族全員が同じ日に上手にできなくても構いません。
声が大きくなったら、「今は落ち着いて話せないから、少し時間を置こう」と中断するのも一つの方法です。落ち着いてから自分の言い方を振り返り、話し直せます。仲直りを急いで、娘さんにすぐ笑顔や返事を求める必要はありません。
娘さんを、祖母との間の仲裁役にしない
自分の母とのつらさと、娘との関係は、別々に相談してよい問題です。娘さんに祖母への不満を受け止めてもらったり、どちらの味方か選ばせたりしなくても済むよう、あなた自身の相談相手を家族の外にも持ちましょう。
お母さんには、負担の少ない範囲で「進路の話は本人と学校で考えているので、繰り返し急かさずにいてほしい」「今はその話を続けられない」と、具体的に頼む方法があります。直接伝えるとこじれる場合は、相談員など第三者に関わってもらうことも考えてください。同居中に急に関係を変えることや、大きな対決をすることを目標にしなくてよいのです。
進路は「正解を教える」より、一緒に確かめる
高校2年生で将来が決まっていないことを、すぐ問題だと決めつけなくて構いません。「大学を出るべき」という家族の希望と、娘さんがどう暮らし、何を学びたいかは、分けて聴いてみましょう。大学、専門学校、就職などの選択肢を比較し、今の段階では仮に考えてみるだけでもよいのです。
本人がよければ、興味のある授業や仕事を一つ選び、公式の学校案内で学ぶ内容、卒業後の進路、費用、出願の条件などを確かめます。資格は学科を卒業するだけで取得できる場合と、受験資格が得られるだけの場合などがあるので、最新の案内で確認してください。情報集めも、一度に大量に課さず、本人が取り組める量を相談します。
分からない点は、担任や進路指導の先生に一緒に尋ねればよいのです。親がすべての職業や制度を知っている必要はありません。家庭では話しづらいことは、娘さんが学校の相談担当者や、配置されていればスクールカウンセラーに話す選択肢もあります。本人の希望や、相談内容の扱いを確かめながらつなぎましょう。

風見鶏さん自身も、支えを借りてよい
仕事が終わる時期には、生活やお金への不安が会話の余裕を奪うこともあります。娘さんへの接し方だけを直そうとせず、生活、仕事、心身の調子を、それぞれ相談してよいのです。自治体の生活相談や、発達障害者支援センターなどへ、今困っていることを具体的に伝えてみてください。
発達障害があることを「よい母親になれない」理由にする必要はありません。口頭で一度に多く話すと負担になるなら、話題を一つずつにする、短いメモを使う、疲れていない時間を選ぶなど、自分に合う方法を相談できます。相談窓口の案内(発達障害情報・支援センター)も参考になります。利用方法や対象は地域の窓口に確認してください。
アダルトチルドレンという言葉が自分の経験を考える手がかりになっても、その言葉だけで原因や支援方法は決まりません。母との関係が今もつらいこと、自分を責めてしまうことを、医療者や心理の専門家に相談して構いません。
まずは、一度だけ口を挟まず聴く時間から
仏教で大切にされる言葉への心配りを、家族を正すためではなく、互いの苦しさを増やさないために役立ててみてください。言葉を選べなかった日には、責め続けるより、次にどう話し直すかを考えればよいのです。
昔の仲のよさをすぐ取り戻そうとせず、今の娘さんの成長と気持ちを知っていく関係を目指してみませんか。今日できそうなら、一度だけ助言を急がず聴く。難しい日は支援者に自分の話を聴いてもらう。その両方を大切にしてよいのです。
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※過去の掲示板相談をもとに再編集しています。診断や治療は医療機関にご相談ください。イラストはイメージで、実在の相談者を描いたものではありません。

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