お寺ネット人生相談|2008年5月30日〜6月2日の掲示板相談をもとに再編集しています。相談者:ベルさん/20代女性(相談当時)/No.6597/原題「死にたくないけど生きていたくも無い(無気力)」
長くひきこもる中で、相談先を調べても動けず、家族の存在や試験の予定まで重荷になってしまう。「どうにかしなくては」と思うほど追い詰められていたベルさんの相談です。まず安全を守り、動けない今の状態のまま支援につながる方法を考えます。
今、自分を傷つけそうなときは
この記事を読んでいる今、命の危険が迫っている方は、記事を読むより先に助けを呼んでください。自分を傷つけるものや危険な場所から離れ、安心できる人に「一人だと危ない。そばにいてほしい」と伝えてください。すでにけがをした、薬を多く飲んだ、今すぐ実行しそうな場合は119へ。自分で連絡できないときは近くの人に頼んでください。
気持ちを一人で抱えきれないときの相談先:#いのちSOS 0120 061 338/https://www.lifelink.or.jp/inochisos/。つながらず、今の安全を保てない場合は、電話がつながるのを一人で待たず、身近な人や救急へ助けを求めてください。
相談:調べても動けず、家にいてもつらいです
私は20代の女性で、ひきこもりが5年目になります。学生時代も含めてアルバイトの経験がなく、職歴もありません。ネットで相談したり、行政のサービスを調べたりしてきましたが、動き出せません。
何とかしなくてはと思う一方で、何もしたくなく、将来に希望が持てません。よく利用していたひきこもりの掲示板が閉鎖され、別の掲示板では叱咤激励がつらく、ネットの居場所もなくしたように感じています。
今年から兄が地元に戻り、不規則な仕事で昼間も家にいることが多くなりました。兄弟仲が悪いわけではなく、以前ほど厳しく言われるわけでもありません。それでも、何か指摘されるのではないかと怖く、兄が家にいるだけで強いプレッシャーを感じます。
公務員試験も近づいていますが、意欲がありません。形だけでも受けなければならないと感じ、勉強していないことを言われそうで重荷です。何もできない自分を責め、限界を感じています。死を考えるほどつらく、どうすればいいか分かりません。助けてほしいです。
※相談文は要旨を保って整理し、連絡先・接続情報・装飾画像は省略しました。これは2008年の投稿であり、現在の相談者の状況を示すものではありません。
当時寄せられた返信
匿名さん(2008年5月30日17:56/No.6609)は、兄への思いが踏み出すきっかけになるのではと提案しました。梶原さん(5月31日17:10/No.6660)は、生き続けてほしいという趣旨の言葉を寄せました。
はたはたさん(6月2日22:00/No.6758)は、苦しさに触れながら、身近な小さな目標から達成感を重ねることを勧めました。私も同じさん(6月2日22:47/No.6763)は、似た状況で家族へのプレッシャーを感じた経験を伝え、ベルさんに生きていてほしいと語りかけました。
小さなことから始める提案や、孤独な気持ちに寄り添う姿勢は大切です。ただし、動かない本人の責任だと迫ること、家族の苦しみを理由に罪悪感を強めること、死後の状態を断定することは、この回答の助言には用いません。また、本人の「本当の気持ち」を他者が決めつけず、つらさと危険をそのまま受け止めます。
お寺ネット住職
ベルさん、相談先を調べ、言葉にして助けを求めてこられたのですね。動きたい気持ちがあっても動けず、励まされるほど苦しくなる日々は、とても疲れるものだと思います。ここでさらに「頑張りが足りない」と自分を責めなくてよいのです。
働いた経験や、今日できたことの数で、あなたが助けを求めてよいかどうかは決まりません。今は試験や就職よりも、追い詰められた心身と安全を支えることを先に考えましょう。
無気力を、怠けや性格だけで判断しない
長く意欲がわかず、希望を持てず、死を考えるほどつらい状態は、気合いだけで乗り切ろうとせず、医療者や相談員に伝えてほしい状態です。この文章だけで病気や原因を判断することはできません。眠り、食欲、疲れやすさ、不安、生活の様子も含めて相談してください。
通院先があれば、「家族が家にいるだけで追い詰められる」「死を考えてしまう」とそのまま伝えてください。通院していなくても、精神科・心療内科や地域の保健所、精神保健福祉センターに相談できます。外へ出るのが難しいことも、最初の連絡で伝えて構いません。
「相談に行けない」ことから相談する
サービスを調べても動けないのなら、その状態こそ相談してよい内容です。「準備を整えた人だけが利用する場所」だと思わなくて大丈夫です。地域のひきこもり地域支援センターは、ご本人だけでなく家族からの相談も受け付けています。
全国のひきこもり相談窓口(厚生労働省 ひきこもりVOICE STATION)から、お住まいの地域の窓口を探せます。電話・来所などの受付方法や訪問支援の可否は窓口に確認してください。本人が外出できないこと、話すのが難しいことを先に伝え、利用できる方法を一緒に考えてもらいましょう。
連絡の言葉は、たとえば「ひきこもりが長く、無気力で相談に出向けません。死を考えるほどつらいです。今のまま相談できる方法を教えてください」で十分です。自分で連絡する力が出ない日は、安心できる家族などに、この文章や投稿を見せて代わりに問い合わせてもらう方法もあります。

兄への怖さを、一人で解決しようとしない
兄を疎ましく感じる自分を、悪い人だと決めつけなくて構いません。今は、指摘されるかもしれないという緊張で、家の中でも休めなくなっているのかもしれません。兄の意図を決めつける必要も、つらさを我慢して仲良く振る舞う必要もありません。
直接伝えるのが安全で負担が少ないなら、「試験や仕事の話は今は控えてほしい」「一人で休める時間がほしい」と短く頼む方法があります。難しければ相談員に間に入ってもらいましょう。家族が本人への接し方を相談することもできます。言うことで怖さが増す場合は、無理に対面で話し合わなくて構いません。
試験や小さな目標も、追い立てる道具にしない
公務員試験を受けるかどうかは、体調や気持ちを相談しながら考えてよいことです。受験を、家族を安心させるための唯一の方法にしなくて構いません。今できる判断を医療者や支援者と整理し、受けない場合の伝え方も含めて支えを借りてください。
水を一口飲む、相談先を一つ保存する、短いメモを書く。もしできそうなら、その程度のことからで構いません。できない日も失敗ではありません。小さな行動は回復を保証する課題でも、支援を受ける資格を得るための試験でもないのです。

居場所を失ったあとも、つながり直してよい
頼りにしていた掲示板の閉鎖は、大きな喪失だったと思います。叱咤激励がつらい場所から離れることも、自分を守る選択です。新しい居場所は、急いでたくさん探すより、「急かさず聞いてほしい」と伝えられる相談先を一つ持つことからでもよいでしょう。
お寺で話すことが支えになるなら、お寺にも頼ってください。仏教の言葉を、我慢や罪悪感を増やすために使う必要はありません。祈りや対話と、医療やひきこもり支援は一緒に利用できます。命の危険があるときは、お寺からの返信を待たず、すぐに人や救急につながってください。
今すぐ人生全体を変える答えを出さなくても大丈夫です。まずは今日を安全に過ごし、「動けないほどつらい」と誰かと共有することから。相談に書いてくださった言葉を、次の支えにつなげていきましょう。
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※過去の掲示板相談をもとに再編集しています。相談窓口の案内は記事作成時点の情報です。診断や治療は医療機関にご相談ください。イラストはイメージで、実在の相談者を描いたものではありません。

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