お寺ネット人生相談|2008年1月31日の掲示板相談をもとに再編集しています。相談者:柚子さん/No.1410/原題「迷っています。」
うつ病の治療を続けながら、クリニックでパートの看護師として働く柚子さん。正職員として働く機会を得た一方、以前のように無理をして体調を崩さないか迷っています。収入への願いも、体を守りたい思いも大切にしながら、選ぶための準備を考えます。
相談:正職員になりたい。でも、また無理をしないか心配です
私は小さなクリニックでパートの看護師をしています。3月で1年になります。学生の頃にうつ病になり、家族を養うためにお金のことを優先して就職しましたが、勤め続けることができず、2か所をそれぞれ1年以内に辞めました。
医師から休むように言われたこともあり、1年弱、体を優先して休みました。その後、主治医の勧めで今のパートを始め、注意を受けながらも自分なりに働いています。
最近、このままでよいのかと思い、ある病院の正職員の面接を受けました。経歴を承知のうえで、うちで頑張りなさいと言っていただきました。収入が増え、寮に入れば自立できて家へ仕送りもできると思い、嬉しかったです。
ただ、これまでも収入のために無理をして体調を崩したので迷っています。薬を飲みながら普通に生活して働ける状態で、主治医もよいのではと言っています。それでも、今の職場で注意される自分が、新しい職場でやっていけるか不安です。また無理をしたくありません。どう決めればよいでしょうか。
※相談文の要旨を保って表記を整理しました。接続情報や装飾画像は掲載していません。2008年当時の投稿であり、その後の経過は分かりません。
当時寄せられた返信
鳥子さん(2008年1月31日23:47/No.1412)は、新しいことへの不安に共感し、自分から変化を求めた気持ちや主治医の意見を支えに、一歩踏み出すことを勧めました。
行者 隆さん(2008年2月1日0:08/No.1413)は、医療現場での人間関係や、施設の規模による業務の違いに目を向けました。ただし、病院が大きいほど覚えることが少ない、負担が軽いとは一概に言えません。配属先や教育体制などの確認が必要です。
良観さん(2008年2月1日7:57/No.1416)は、今の職場での難しさと新しい職場での適性は別であり、合わなければ働き方を見直してもよいと励ましました。もっとも、元のパートへ必ず戻れるとは限らないため、変更や退職後の暮らしも事前に確かめておきたいところです。
お寺ネット住職
柚子さん、家族を支えたい思いと、また体を壊したくない思いの両方があるのですね。以前つらい経験をしたからこそ慎重になるのは自然なことです。迷っていることを、弱さや覚悟の足りなさに結びつけなくてよいのです。
収入や自立を望むことは、それだけで「お金への執着」ではありません。暮らしを守るための大切な願いです。その願いを長く支えるために、働き続けられる条件を調べることも、同じくらい大切にしてよいと思います。
「正職員になれるか」から「どんな条件なら続けられるか」へ
正職員かパートかという肩書だけでは、負担は分かりません。勤務先に、配属先、担当する業務、勤務時間、夜勤や残業の有無、休憩・休日、入職後の指導体制を確認してみましょう。分からない仕事を誰に、どのように質問できるかも大切です。
寮がある場合も、家賃だけでなく、通勤、食事、生活音、休める環境、退職した場合の退寮時期などを確かめておくと、生活の見通しを立てやすくなります。まだ分からない条件は、無理に想像で埋めず、採用担当者や看護部へ質問して構いません。
たとえば「長く働きたいので、最初の担当業務と夜勤開始の時期、相談できる指導者について教えてください」と尋ねることができます。勤務上の配慮については、自分が伝えたい範囲と必要な内容を、主治医とも相談しながら整理しましょう。

具体的な勤務情報を持って、主治医ともう一度相談する
主治医が前向きな意見をくださったことは支えになります。ただし、その言葉だけで、新しい勤務を続けられるかが確定するわけではありません。分かった勤務条件を持参し、今の体調と照らして相談すると、判断が具体的になります。
厚生労働省「こころの耳」の職場復帰支援の説明でも、日常生活の回復と、職場で求められる業務を行える状態は必ずしも同じではなく、勤務情報の共有が重視されています。今回のような転職でも、業務・勤務時間を伝えて相談する視点が参考になります。詳しくは15分でわかる職場復帰支援(こころの耳)をご覧ください。
診察では、最近の睡眠や疲れ、今の勤務で困る場面、通院を続けられる時間、以前調子を崩したときの変化なども伝えてください。夜勤や残業をどう考えるか、どのような変化があれば早めに受診するかを、主治医と相談しておくとよいでしょう。薬は自己判断で減らしたり中断したりせず、疑問も含めて相談してください。
今の職場で注意されることを、自分全体の評価にしない
注意を受けると、新しい場所でも失敗するのではと不安になりますね。けれど、注意の中身を分けてみると、手順の確認が必要なのか、説明の仕方が合っていないのか、体調や業務量が関わるのか、考える余地があります。
看護の仕事では安全の確認が欠かせません。分からないときに確認することは、能力がない証拠ではありません。入職前に教育体制を尋ね、働き始めた後も、その職場の手順に沿って相談することを大切にしてください。今の職場で注意される経験だけで、新しい職場での可能性を決めつける必要はありません。

仕送りも含めて、無理のない生活費を見積もる
正職員の給与額だけでなく、寮費や食費などを引いた手元のお金、通院に必要な時間や費用も並べて考えてみましょう。仕送りは「できるだけ全部」ではなく、自分の生活と治療を続けたうえで出せる額を、家族と相談してよいものです。
家族を思う気持ちがあるからこそ、一人で家計の責任を抱えきらないことも必要です。生活費の負担が大きい場合は、お住まいの自治体の生活相談窓口で、使える支援があるか尋ねる方法もあります。
選び直せるように、相談先と見直す時期を決めておく
転職を選ぶ場合は、入職日や最初の勤務について相談し、勤務を始めた後の受診や職場での面談の予定も考えておきましょう。体調が崩れてから一人で耐えるのではなく、早い段階で相談できる相手を決めておくことが支えになります。
今のパートを続ける、入職時期を相談する、条件を確認して正職員へ移る。どれも検討してよい選択です。段階的な勤務や条件の変更ができるかは職場によるため、可能だと決めつけず確認しましょう。働き方を見直す必要が生じても、それを人生全体の失敗にしなくてよいのです。
仏教でいう自分を見つめることも、欲を持つ自分を責め続けるためのものではないと思います。今の体の声と暮らしの願いに、両方とも耳を傾けてください。まずは新しい職場に確認したいことを三つ書き、その情報を主治医と共有するところから始めてはいかがでしょうか。
関連する人生相談・公式案内
復職前にまた調子が悪くなり、働けるか不安なとき
仕事の機会を逃して、自分を責めてしまうとき
お寺ネット 人生相談一覧
15分でわかる職場復帰支援(こころの耳)
治療と仕事の両立について(厚生労働省)
※過去の掲示板相談をもとに再編集しています。個別の診断・治療や就業上の判断は、主治医や職場の担当者にご相談ください。イラストはイメージで、実在の相談者を描いたものではありません。

コメントで応援してあげてください