お寺ネット 仏事相談
相談者:にじの花 さん(投稿名)|相談日:2008年2月21日|相談番号:No.258
相談タイトル:創価学会の仏壇
※2008年の相談と当時の回答を読みやすく整理し、お寺ネット住職としての補足を加えています。創価学会の公式回答ではなく、宗派・信仰の違いを尊重した相談記事です。
結論|仏壇は「誰かが亡くなってから置くもの」とは限りません
ご家族に亡くなった方がいなくても、仏壇があることは不自然ではありません。仏壇は故人を偲ぶ場にもなりますが、それだけでなく、ご本尊をお迎えして日々の信仰を営む場でもあります。
今お参りをしているご家族にとって、その時間には大切な意味があるのかもしれません。一方で、にじの花さんが同じ信仰を持たなければならない、ということでもありません。ご家族の思いと、ご自身の気持ちの両方を大切にしながら、将来どうするかを話し合ってよいのです。
ご相談内容|実家の仏壇を、将来どうすればよいのでしょうか
実家には、誰も亡くなっていないのに仏壇があります。最近、父と離婚した母の仏壇だったと知りました。父に処分をお願いすることはできません。父の再婚相手は、お線香やご飯を供えているようですが、私にはその意味がよく分かりません。
私は長女なので、親が亡くなったら仏壇を処分してもよいのでしょうか。手放すとしたら、どのようにすればよいのか知りたいです。同じような悩みを持つ方はいらっしゃるでしょうか。
(原文の「やっても意味ない」という戸惑いも含め、相談の趣旨を保って表現と段落を整理しています。)
当時の回答|一僧侶さんからの助言
回答者:一僧侶 さん|2008年2月21日|回答番号:No.261
当時の回答では、仏壇は亡くなった人のためだけの入れ物ではなく、ご本尊をお迎えする場所だと説明しています。そして、再婚された方が日々お世話をしているのであれば、亡くなった方がいなくても「意味のないこと」ではない、と伝えています。
また、今から親が亡くなったあとの処分だけを考えず、心穏やかに過ごすよう勧めています。
原回答には須弥山や位牌を用いた説明もありますが、それを創価学会固有の教義・作法として扱うことはできません。ここでは当時の助言の中心を要約し、以下では一般的な仏壇の意味と創価学会の説明を区別して補足します。
住職からの補足①|仏壇のお参りは、亡くなった人がいなくても意味があります
仏壇を、お葬式のあとに初めて迎えるご家庭もあります。そのため「誰かが亡くなった家に置くもの」と思われるのも無理はありません。しかし、仏壇を迎えるきっかけは、ご家族の死だけではありません。日々手を合わせ、教えに向き合うために迎えることもあります。
創価学会公式サイトの「御本尊」では、日蓮の文字曼荼羅を信仰の根本対象とすることが説明されています。したがって、亡くなった方がいないことだけで、お参りを無意味だと判断することはできません。
ただし、今回の相談文だけでは、実家に実際にどのご本尊が安置され、誰がどのような思いでお参りしているのかまでは分かりません。まずは、その仏壇がご家族にとってどのような存在なのか、確かめるところからでよいと思います。
住職からの補足②|「分からない」という気持ちも大切にしてください
離婚されたお母さまの仏壇が実家に残り、別のご家族がお世話をしている。その事情を知って、にじの花さんの心に複雑な思いが生まれたのかもしれません。仏壇の問題に、家族の関係への戸惑いが重なっていることもあるでしょう。
そのお気持ちを、無理に押し込める必要はありません。ただ、相手にとって大切なものを「意味がない」と言い切ってしまうと、本当に聞きたかったことが伝わりにくくなります。
例えば、「この仏壇を、今はどのような気持ちでお参りしているの?」「私は詳しく分からないので、これからどうしたいか教えてほしい」と尋ねてみてはいかがでしょう。処分の可否を切り出す前に、今の思いを聞くことで、話しやすくなる場合があります。
ご家族の信仰を尊重することと、ご自身が同じ信仰を持つことは別です。お参りを続ける人の気持ちを大切にしながら、「私は同じようには続けられないかもしれない」と伝えることもできます。
住職からの補足③|長女だからと、一人で抱え込まないでください
「長女だから、最後は自分が何とかしなければ」と不安に思われているのですね。しかし、長女という立場だけで、信仰や日々のお世話まで一人で背負うと決めなくてよいと思います。仏壇を誰が引き受けるか、信仰をどう考えるか、住まいに置けるかは、分けて話し合えます。
お父さまが亡くなった時点でも、今お参りしている再婚相手の方が、お参りを続けたいと思っている可能性があります。親が亡くなったら自分の判断だけで処分できる、という前提にはせず、現在の持ち主やお世話をしている方、引き継ぎを希望する方の意向を確かめてください。
将来の希望を元気なうちに話すことは、縁起の悪いことと決めつけなくて構いません。「今すぐ片づけたい」という話ではなく、「後で困らないよう、希望を聞いておきたい」と伝える方法もあります。話すことがつらいときは、結論を急がず、信頼できるご家族に間に入ってもらうことも考えましょう。
住職からの補足④|手放すときは、ご本尊と仏壇本体を分けて確認を
将来、ご家族で相談したうえで、引き継ぐ方がおらず手放すことになった場合には、次の順に確認すると整理しやすくなります。現時点で確認できた創価学会の公式資料からは、ご本尊の返納先や処分手続きの詳細までは確認できないため、この記事で特定の方法を断定することはしません。
① 現在お参りしている方の希望を聞く
お参りを続けたい方や、引き受けたい方がいないか確認します。相談者だけで動かしたり処分したりせず、関係するご家族で方針を共有しましょう。
② ご本尊などの扱いを確認する
仏壇本体と、中に安置されているご本尊・仏具は分けて考えます。創価学会のご本尊であれば、まずご家族が日頃連絡を取っている創価学会の担当者・会館などに、引き継ぎや返納の相談先、必要な手続きを確認してください。先に送付したり、ご本尊を本体に入れたまま回収へ出したりすることは避けましょう。
③ 仏壇本体の引き取り先を確認する
本体を手放す方針が決まったら、購入店や仏壇店に引き取りの可否・対象・搬出方法・費用を問い合わせる方法があります。自治体の収集を検討する場合は、材質や大きさ、電装品の有無も伝えて、お住まいの自治体に受け付け方法を確認してください。地域や業者によって対応は異なります。
④ 一律の「魂抜き」が必要だと決めつけない
仏壇を手放す際の儀礼や考え方は、宗派・団体によって異なります。一般の仏壇処分の記事にある「必ず僧侶に閉眼供養を頼む」という説明を、そのまま創価学会の仏壇に当てはめないでください。ご家族の信仰に沿って確認することをお勧めします。
ご家族で話しておくとよいこと
・この仏壇は誰が迎え、今は誰が大切にしているのか
・これからもお参りを続けたい方、引き継ぎたい方はいるか
・ご本尊について相談できる連絡先はどこか
・住まいや費用の面で、どのような負担があるか
・引き継ぐ人がいない場合は、誰が相談・手配を担うか
信仰について結論がそろわなくても、連絡先や希望をメモしておくだけで、将来の戸惑いを減らせます。
住職からのひとこと
当時の回答が伝えたかったのは、仏壇を大切にしているご家族の営みを、無意味なものとして見ないでほしい、ということだと受け止めています。
そのうえで、将来のことが気になるにじの花さんのお気持ちも、大切にしたいと思います。「処分を考える自分は冷たいのだろうか」と責める必要はありません。今ある思いを聞き合い、続けられること、難しいことを少しずつ共有してください。
仏壇をどうするかという話が、ご家族の大切にしてきたものと、ご自身のこれからの暮らしを知るきっかけになればと思います。合掌
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出典・編集について
原相談:お寺ネット仏事相談「創価学会の仏壇」No.258(にじの花さん、2008年2月21日)。当時の回答:No.261(一僧侶さん、同日)。相談文は趣旨を保って整理し、当時の回答は要約しています。住職としての補足は今回加えたもので、当時の回答者による追加回答ではありません。
教義の確認資料:創価学会公式サイト「御本尊」。同資料はご本尊の意味を確認するためのもので、仏壇やご本尊の処分手続きを案内する資料ではありません。

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