実家の仏壇を自宅で預かっても大丈夫でしょうか?

実家の仏壇を自宅で預かっても大丈夫?仏壇の移動・引き継ぎについて住職が回答

仏事相談タイトル:実家の仏壇について

お寺ネット 仏事相談

相談番号:No.365
投稿者:ぽろろ さん
投稿日:2008年3月17日以前


目次

ご相談内容

よろしくお願いします。

主人の実家が経済的な理由から現在の住まいを処分して、引っ越すことになりました。

新しい住まいは狭く、仏壇を置くスペースがないので、我が家で預かってほしいと言われました。

我が家は、主人と私、娘の三人家族です。昨年新築した家には仏間があります。

ただ、「仏壇を人にもらうのはよくない」と聞いたこともあります。

また、主人の実家は関西、我が家は北海道と遠く離れています。縁もゆかりもない土地へ、仏壇だけを持ってきてもよいものなのか気になっています。

主人の兄は、

「自分がお墓をみるから、お前は仏壇をみろ。場所もあるんだし」

という考え方です。

しかし、単に「場所があるから」という理由で仏壇を動かすのも、少し乱暴な考えのような気がしています。

どのように考えればよいでしょうか。アドバイスをお願いいたします。


お坊さんからの回答

回答者:勝運寺山主
回答番号:No.366
投稿日:2008年3月17日

ぽろろ様へ。

まず、仏壇の大きさを確認してみてください。

襖一枚分ほどの大きな仏壇なのか、みかん箱二個分くらいの団地サイズの仏壇なのかによっても対応が変わってきます。

また、仏壇が移動可能なものか、分割できるものかについても確認してください。

団地サイズのコンパクトな仏壇や、分割して移動できる仏壇であれば、ご実家から送っていただき、仏さまやご先祖さまを引き続きお祀りされてよいでしょう。

もし仏壇そのものを移動することが難しい場合には、ご本尊やお位牌などを引き取り、仏壇本体については整理するという方法もあります。

今回のケースは、まったくの他人から仏壇を譲り受けるわけではありません。

ご主人のご実家で大切にされてきた仏壇を、ご家族が引き継ぐものです。

「生前の形見分け」のように考えてもよいでしょう。

心配される必要はありません。


他の住職からの意見

このご相談で、まずお伝えしたいことがあります。

ご実家の仏壇を北海道のご自宅へ移してお祀りすることを、心配される必要はありません。

仏壇は単なる家具ではありませんが、仏壇そのものの中にご先祖さまが閉じ込められているわけでもありません。

仏壇とは、仏さまをお祀りし、ご先祖さまを偲び、家族が手を合わせるための「祈りの場所」です。

ですから、

「関西から北海道へ移してもよいのでしょうか?」

というご心配については、大丈夫です。

ご先祖さまとのご縁は、距離によって切れるものではありません。

「人から仏壇をもらうとよくない」と聞きました

確かに、そのような話を耳にすることがあります。

しかし、今回の場合は「知らない人の仏壇をもらう」という話ではありません。

ご主人のご実家で、長年ご家族が手を合わせてこられた仏壇です。

ですから、

「仏壇をもらう」のではなく、「家族の仏壇を受け継ぐ」

と考えてください。

ご主人のご両親やご先祖さまとのご縁を、ご主人の家庭が引き継いでいくわけです。

恐れる必要はありません。

お兄さんがお墓、弟さんが仏壇を守ってもよいのでしょうか?

これも問題ありません。

「長男がお墓も仏壇もすべて守らなければならない」という決まりがあるわけではありません。

それぞれの家庭には、住宅事情、仕事、住んでいる場所など、さまざまな事情があります。

ですから、

お兄さんがお墓を守り、ご主人の家庭が仏壇をお祀りする

という形も、一つの方法です。

ただし、お兄さんの

「場所があるんだから、そっちで仏壇をみてくれ」

という理由だけで決めるのではなく、ご家族で一度話し合っていただきたいと思います。

大切なのは、

「誰が仏壇を持つか」ではなく、「これから家族として、どのようにご先祖さまを供養していくか」

だからです。

大きな仏壇なら無理に北海道まで運ばなくても構いません

昔ながらの大きな仏壇であれば、関西から北海道まで運ぶのは大変です。

運送費もかかりますし、新しい家の仏間に合わない場合もあります。

そのような場合は、無理に仏壇そのものを運ぶ必要はありません。

ご本尊やお位牌を引き継いで、ご自宅の仏間に合った小さな仏壇へ替える方法もあります。

古い仏壇については、菩提寺などに相談し、必要に応じて閉眼供養を行ったうえで整理されるとよいでしょう。

宗派や寺院によって作法が異なる場合がありますので、菩提寺がある場合には事前に相談してください。

本寿院の人形供養
本寿院の人形供養

仏壇を受け継ぐとは「祈りを受け継ぐ」こと

今回のご相談を読んでいて、私は「仏間がある」ということにも一つのご縁を感じます。

「空いている場所があるから仏壇を置く」

と考えるのではなく、

「これから、この場所が家族の祈りの場所になる」

と考えてみてはいかがでしょうか。

これまで関西でご家族が手を合わせてきた。

これからは北海道で、次の世代の家族が手を合わせていく。

場所が変わっても、祈る心は変わりません。

朝、「おはようございます」と手を合わせる。

出かけるときに「行ってきます」と手を合わせる。

うれしいことがあった日に「ありがとうございました」と報告する。

それが仏壇をお祀りするということではないでしょうか。

仏壇を受け継ぐということは、家具を一つ受け取ることではありません。

ご先祖さまから続いてきた「祈り」を、次の世代へ受け継ぐことです。

仏壇が関西にあるか北海道にあるかよりも、そこに手を合わせる人がいることのほうが、ずっと大切です。

どうぞ安心して、ご家族でよく話し合ってお決めください。

合掌


この相談のポイント

1.実家の仏壇を子どもの家庭で引き継いでも問題ありません。

2.関西から北海道など、遠方へ仏壇を移すこと自体を心配する必要はありません。

3.「人から仏壇をもらう」のではなく、「家族の仏壇を受け継ぐ」と考えるとよいでしょう。

4.大きな仏壇は無理に運ばず、ご本尊やお位牌を引き継ぎ、住宅事情に合った仏壇へ替える方法もあります。

5.大切なのは「誰が仏壇を持つか」ではなく、「これから誰が手を合わせていくか」です。


※この相談は2008年当時に「お寺ネット」へ寄せられた仏事相談をもとに、読みやすいよう整理し、現在の住職の見解を加筆しています。仏壇の移動、閉眼供養、ご本尊・お位牌の扱いについては、宗派・地域・寺院によって考え方や作法が異なる場合があります。

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